「聞くに耐えない言葉が…」JFA審判員が誹謗中傷へ取り組み、ユース審判員が「リスペクトワッペン」着用

空き家の85%、1年後も空き家

 21日、日本サッカー協会(JFA)は2026年度の第6回レフェリーブリーフィングを実施。扇谷健司審判委員長が、「審判リスペクト」として、今後の取り組みについて説明した。

 JFA審判委員会は、ミッションとして「全てのサッカーファミリーが『フェアで、安心・安全な試合』を楽しめるように、審判員の育成と、競技規則とその精神の理解・浸透を行う」というものを掲げている。そのミッションには、審判員の育成、競技規則の浸透、環境整備などが掲げられており、Jリーグや国際試合を担当するトップレベルの審判員だけでなく、グラスルーツの試合を担当する審判員までが含まれている。

 そんな中、扇谷審判委員長が懸念しているのは、ユース審判員(U-18審判員)への誹謗中傷。小学生の大会などでは、聞くに耐えない言葉が浴びせられていることを耳にしているとし、「ちょっと言葉に表現できないようなことを言われる時がある」と報告も受けている他、「女性のユース審判員だとやっぱりその性別に関するボソッと嫌なことを言われることがある」という。

 トップカテゴリーの審判員に対する誹謗中傷も、SNSの発達などによって目にすることが増えている印象がある中、ユース審判員を守るための対策の1つとして「リスペクトワッペン」の着用をJFA審判員会は取り入れるという。目的としては「試合を支える若い審判員が、“安心して成長できる環境を整えること”」であり、「審判員へのリスペクト」を全国に広く浸透させたるため。視認性の高い黄色のユース審判員専用のワッペンを着用することで、審判員が「まだ学びの途上にある若者」であることを示し、選手・指導者・保護者・観客らに一層の理解と敬意ある対応をお願いするための取り組みだという。なお、12月に鹿児島県で開催される「JFA全日本U-12サッカー選手権大会」で実施される。

 ユース審判員の「リスペクトワッペン」に関しては、実際に他国ではすでに導入されているという。アメリカやイングランド、オーストラリア、北アイルランド、ウェールズではすでに着用が進み、トラブルの減少という効果が見られているところもあるという。

 JFAが示したデータでは、2024年度には27万8100人の審判員が登録されており、ユース審判員は約4割を占めているという。一方で、ユース審判員へのアンケートでは、数万件の回答のうち、約5割が「誹謗中傷」などの影響で続けることが困難になったというものだったという。現場で審判員に対する反応に関しても、考える必要がありそうだ。

 まずはユース審判員から取り組みを始め、さらに広めていきたい取り組みだと語る扇谷審判委員長。ただ、この発表は審判員に対する声を止めることを求めるというわけではないという。「『レフェリーに対して文句言わないでください』とか『レフェリーを守ってください』みたいに聞こえるかもしれないですが、サッカーというスポーツという中で一定数のリアクションというのは、当然あるものだと思っています」と理解を示しながらも、「それらが1つ2つは良いと思うんですけど、過剰になったりSNSで言ったり日常で必要のない言いたくもない言葉が発せられるということを、私は無くしていきたい」と、過激になること、誹謗中傷や人格否定のような形になることを防いできたいと危機感を示した。