「日本の使い捨てカメラ」がウクライナ軍戦闘機パイロットの手に あえてアナログな“まさかの理由”とは

空き家の85%、1年後も空き家

ウクライナ空軍は2026年10月12日、「はい、チーズ!」と題した投稿で、富士フイルムの使い捨てカメラ「写ルンです」を持った戦闘機パイロットの写真を公開しました。なぜ使い捨てカメラが戦場にあるのでしょうか。

「はい、チーズ!」パイロットの手には!?

 ウクライナ空軍は2026年10月12日、「はい、チーズ!」と題した投稿で、富士フイルムの使い捨てカメラ「写ルンです」を持った戦闘機パイロットの写真を公開しました。

 この投稿には、「懐かしのカメラ、写ルンです!」「『写ルンです』カメラと航空偵察用の高性能フィルムを速やかにウクライナ空軍へ送る必要がありますね」といった、日本語のリプライも寄せられていました。

 そもそも、無人機同士による空戦や海戦も発生するなど、ハイテク化が進むウクライナの戦場で、なぜ使い捨てカメラが使われているのでしょうか。実は、ハイテク化が進んだからこそ、こうしたカメラが情報伝達の手段として活用されているようです。

 ウクライナ政府の公式サイト「ユナイテッド24」によると、ロシア軍の進軍が激しさを増すなか、それまで比較的安全にたどり着けていた場所も、次第に安全なエリアではなくなっていったといいます。背景には、ドローンの発達などによって前線と後方の境界が曖昧になっていることも影響していると考えられます。

 危険な場所が増えたことで、これまでのように報道などで前線の日常を伝えることさえ困難になりました。しかし、戦争の真実を伝える必要性は、ますます高まっていました。

 そこで、ウクライナの写真家セルヒー・メルニチェンコ氏が2025年初頭に発案したのが、「兵士たち自身に記録してもらう」という方法でした。

 この取り組みでは、写真現像店のFotovramciの協力を得て、富士フイルムの使い捨てカメラ「写ルンです」25台を前線の兵士たちに届けました。これがプロジェクトの始まりで、その後も活動が続けられているようです。

 使い捨てカメラを前線に持ち込む利点について、メルニチェンコ氏はウクライナメディアの取材に対し、「操作がシンプル」「小さく、持ち歩きやすい」「高価な機材を持ち込まずに済む」といった点を挙げています。

 さらに、重要なのが「撮影枚数に限りがある」という点です。無制限に撮影できないからこそ、何を残すかを考えるようになり、この制約が参加者それぞれの撮影スタイルを生み出しているといいます。こうして収集された写真は作品集や展覧会という形で公開されています。

今回投稿された写真でパイロットが手にしている「写ルンです」が、このプロジェクトを通じて届けられたものなのかは明らかにされていません。しかし、前線で戦うウクライナ軍の兵士たちが、使い捨てカメラを通じて戦場の日常を記録していることは確かなようです。

【昔よく見たやつ!】使い捨てカメラを持つウクライナ空軍パイロット(画像)