地上と地下を結ぶ巨大なループ構造を持つ首都高・大橋JCTは、海外のインフラ愛好家からも人気の道路施設です。このジャンクションの「屋上」に何があるかを知ると、さらに驚くようです。
狂ったジャンクションの上にある静寂の空間
東京都目黒区にある首都高・大橋JCTは、3号渋谷線と中央環状線(山手トンネル)をつなぐジャンクションです。地上と地下を結ぶ長大なループ構造は、世界的にも珍しい設計であり、海外のインフラファンからも注目されています。
「このジャンクションマジで狂ってるぜ!高速道路を走ってるっていうより、巨大な多層構造のゴーカートコースの中にいる気分だ」
「コーナーのバンク角がヤバい。ちょっとでも余計なこと考えたら速攻で壁に擦る」
このように、実際に運転してそのループに驚愕したような声もあれば、「土木工学の完全なる狂気」「(同じく首都高の)C1都心環状線と並ぶ、土木工学の傑作だ」と、構造物としての特異さに驚く声もあります。
そんな大橋JCTについて、さらに驚く声があるのが、この“屋上”が庭園になっているということです。
換気所の屋上には、「おおはし里の杜」という緑地が整備されています。約900平方メートルほどの敷地に水田や草地、樹林などが設けられ、水田にはメダカなどが泳いでいるほか、時にはオオタカが飛来することも。都心の高速道路の上とは信じられないほど、のどかな風景が広がっているのです。
「待てよ、あの巨大な高速道路ループの上で、実際に機能してる田んぼがあって毎年稲刈りまでしてるって言いたいのか?!」
「狂ったループ道路の上に静かな庭園を作るなんて、一番日本らしいギャップだ」
「足元からはかすかに高速道路の重低音が聞こえるのに、目の前では伝統的な稲刈りが行われてる。本当に非現実的な体験だった」
そんな声も寄せられています。
この「おおはし里の杜」は、昭和初期の目黒川周辺の原風景を再現することをコンセプトに、2011(平成23)年に整備されました。地域に生えていた草花や樹木などの在来種を中心に植え、生き物が暮らせる環境をつくることを目的に管理されています。
このため、普段「おおはし里の杜」は非公開となっていますが、現在は年に6回のペースで一般公開が行われています。首都高速道路の担当者によると、「おおはし里の杜」は同じく屋上部に設けられている「目黒天空庭園」から見えることもあり、来訪者からは「『やっと入れた』と言われることもあります」とのこと。また、やはり国内のみならず海外からも多くの人々が訪れているそうです。
その一方、「首都高速道路がこうした取り組みをしていることは、まだ十分に知られていないとも感じている」(同)とも述べ、「本エリアのことを多くの人に知っていただけるよう、今後もこうした機会を作っていきたい」と強調しました。