リニアより先にできそう!? 岐阜の「高規格アクセス道路」が進捗 東京から「関東の温泉に行くより早い」地元も期待

航空機産業 世界的な拡大続く

岐阜県で「濃飛横断道」の建設が進捗しています。リニア中央新幹線のアクセス道路となる計画で、現地では同時進行で整備が進んでいます。未事業化区間も多いものの、周辺の「リニア+アクセス道路」への期待はかなり高いようです。

リニアだけじゃない!セットで建設される「濃飛横断道」

 岐阜県東部の中津川市で2026年現在、リニア中央新幹線の「岐阜県駅(仮称)」および車両基地の建設着工が進められています。JR美乃坂本駅(中央本線)の北側では、3層構造となる駅部の高架橋の一部や、前後区間の橋脚が次々と立ち上がってきました。

 しかし現場を訪れると、リニアと並行・交差するように、もう一つ大規模な高架橋工事が進められていることに気づきます。それが高規格道路の「濃飛横断自動車道」です。

東西に貫くリニアに対し、濃飛横断道は南北方向に伸びる計画で、リニアの本線および車両基地への回送線と交差します。鉄道と道路の大規模工事が同時に進行しているため、交差部周辺は「どれがリニアで、どれが道路の工事か」と一瞬困惑するほど工事ヤードが密集しています。

 濃飛横断道は中津川から下呂、郡上八幡を弓なりに結ぶ全線約80kmの計画ですが、事業化されているのはわずかです。そのうち、中央道に新設される「中津川西IC(仮称)」から北へ約5kmの区間は、リニア駅へのアクセス道路として事業化しています。途中には「リニア駅IC(仮称)」も設けられる計画です。

 中津川西ICは、国道19号沿いのオークワ中津川店付近に建設されます。国道の北側ではすでに橋脚がずらりと林立しており、一部の区間では橋桁の架設が完了し、道路の土台となる床版の製作・施工フェーズに入っています。JR中央本線と交差する地点でも、橋脚の上に桁が置かれ、架設に向けた準備が進む様子が見られました。

 さらに北側の千旦林地区に入ると、構造は高架から切土・盛土主体の土工区間へと変化。県道苗木恵那線の中津川に架かる美恵橋付近へと直結します。現在事業化されているのはここまでです。

 これより北側は当面既存の県道を北上し、苗木交差点で国道257号へ接続。付知(つけち)を経由して下呂方面へと至る従来ルートを活用します。

 リニアとアクセス道路のダブル整備に対し、沿線自治体の期待は絶大です。リニアが開通すれば岐阜県駅は品川から約60分、名古屋からは約15分で結ばれます。

 中津川市は「平日は自然豊かな中津川で暮らし、週数回リニアで都心へ出勤」「安価で広い住居を確保できる」と移住・二拠点生活を強力にアピール。下呂市も「東京から関東近郊の温泉地へ行くより早くなる」と、観光客の誘致に期待を寄せます。ただ、これには濃飛横断道のさらなる整備が必要でしょう。

 ちなみに、かつて中津川~下呂間には、国鉄の計画線「下呂線」の計画が存在し、途中の下付知まで伸びていた私鉄の北恵那鉄道(1924~1978年)はその一部となる予定でした。幻となった鉄道の構想が、半世紀以上の時を経て高規格道路という形で結実するのか、今後の進捗が注目されます。