名前も見た目も「ブッ飛びすぎ」1000台限定だった“旧車風パジェロ”とは 「猫であり、子犬です」?

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山猫の名に由来を持つ三菱「パジェロ」の歴代モデルのなかには、なぜか「フライングパグ」(空飛ぶ子犬)を名乗る派生バージョンが存在しました。いったいどんなクルマなのでしょうか。

山猫なのに「空飛ぶ子犬」?

 2026年9月に久しぶりの新型が公開された三菱自動車の「パジェロ」は、日本を代表する本格4WDモデルのひとつです。その車名は、アルゼンチンの南部に生息する野生の猫(パジェロキャット)にちなみ、野性味と美しさの調和を狙って付けられたといわれています。

 しかし歴代パジェロの系譜には、なぜか「空飛ぶ子犬」という意味のサブネームが付けられた派生モデルも存在します。それが1997(平成9)年9月に発売されたパジェロジュニア「フライングパグ」です。

 フライングパグは、1995(平成7)年11月にデビューした「パジェロジュニア」に、専用の内外装を与えた特別モデルです。当時存在した三菱の販売チャネル「カープラザ」の20周年を記念して、1000台限定で販売されました。

 ベース車であるパジェロジュニアは、軽規格の「パジェロミニ」を拡幅して排気量1.1Lのエンジンを搭載した小型モデル。デザインにはパジェロミニ由来のかわいらしい雰囲気こそ残っていたものの、大まかなテイストは兄貴分である当時の現行パジェロ(2代目)を踏襲していました。

 ところがフライングパグの外観は、そのパジェロジュニアとは似ても似つかないほど大幅に変更されていました。

 デザインは全体的に、戦前のクラシックカーのような雰囲気。前後フェンダーは独立感の強い専用デザインで、そこから飛び出すように装着されたヘッドライトをはじめ、灯火類は基本的に丸形で統一されていました。また、車体の前後にはメッキバンパー、フロントマスクには縦格子の大型メッキグリルを備え、ホイールも旧車風なメッシュタイプでした。

 さらには外観だけでなく、木目調のパネルやプロテインレザーシートなどで内装もシックにコーディネート。このようにフライングパグは、パジェロジュニアの面影がほとんど感じられないほど徹底してクラシカルに仕上げられていました。

 ちなみに、当時の新車価格は175万円~185万円(消費税抜き)と、パジェロジュニアのベーシックグレード「ZR-I」と比べても、価格差は36万円ほどでした。限定1000台は完売したといわれていますが、フライングパグは1980年代から続くパジェロシリーズの歴史を振り返っても、きわめて異端な存在でしょう。