このクネクネ国道を“まっすぐ”にするの!? 関西の大幹線“40年越しの大改造”が次の段階へ 未着手区間はもはや「ルート引き直し」

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兵庫県で40年以上にわたって続けられている国道の大改造事業「名塩道路」が次の段階へと進みました。未開通部はあと2区間、うち1区間は工事未着手です。最終的にこの国道はどうなるのでしょうか。

「川に張り出させた区間」に付け替え 名塩道路のいま

 兵庫県西宮市の国道176号で2026年9月16日、生瀬地区で4車線化のために完成した「武庫川張出橋」(延長250m)への付け替えが行われました。文字通り武庫川に張り出させた部分への切り替えは、現道側で嵩上げ工事などを進めるための措置。長年続く国道の改造事業「名塩道路」の整備がまた一段進んだ格好です。

 国道176号は、京都府宮津市から阪神北部地域を経て大阪市まで約180kmを結ぶ主要幹線道路です。そのうち西宮市山口町から宝塚市栄町までの約10.6kmを4車線化する事業が「名塩道路」。六甲山地の北側に位置する三田・阪神北部地域と阪神都市圏を結ぶ貴重な無料ルートであり、国交省も、発展する阪神北部地域と阪神都市圏を結ぶ道路として位置付けています。

 しかし現道には急カーブや狭い区間が残り、歩道が未整備の場所や異常気象時の通行規制区間もあります。そこで1985年度から、現道拡幅とバイパス整備を組み合わせた4車線化が進められてきました。40年のあいだに全長10.6kmのうち約7.2kmが供用済みで、残るのは「東久保工区」2.1kmと「生瀬工区」1.3kmとなっています。

 2026年現在、工事が目に見えて進んでいるのが生瀬工区です。ここでは武庫川沿いの崖を掘りぬいた延長311mの生瀬トンネルが2024年2月に供用開始。現在は1本のトンネルを上下方向の交互通行で暫定的に使用しながら、周辺の道路や橋梁などを整備しています。

 このトンネルは最終的に、片側2車線の一方通行で供用され、反対2車線はトンネルより川側の平面を通る形態となります。先にトンネルを造って交通をそちらへ移し、その間に旧道側などを工事することで、難しい区間を少しずつ完成形へ近づけているわけです。

 ただし、生瀬工区全体の開通時期は現在も白紙のままです。当初は2026年春の開通予定でしたが、城山地区の切土工事で想定以上の硬質岩が確認され、設計見直しなどが必要となったため、国交省は2025年2月に「工程精査中」へ変更。その後も新たな開通時期は公表されていません。

 そして、もう一つの東久保工区もまた、このルートに残る“難所”を大きく改善させるものとなります。

あり得ないヘアピンカーブが残る!

 東久保周辺の現道は、山の地形に沿って大きく曲がりくねっており、幹線国道としては異例の急勾配かつヘアピンカーブを有します。平面曲線半径が最小で20mという厳しい線形が、交通混雑とともに速度低下や事故の要因となっています。

 道路構造令では設計速度50km/hの場合の最小曲線半径は100m以上としているため、いかに厳しい線形かがわかります。ここは大型トラックや路線バスの通行も多く、1列になってソロソロと進む区間です。

 名塩道路はこうした現道の線形を新しいルートで大きく改善し、走行性を高める計画です。

 では、東久保工区はいま、どこまで進んでいるのでしょうか。2026年9月時点では、まだ生瀬工区のように橋やトンネルが次々と姿を現す段階ではありません。2.1kmの区間で、調査設計、用地取得、改良工事などが進められています。

 名塩道路というと「国道176号の4車線化」と説明されがちですが、実際には単に車線を増やすだけでなく、バイパスによる「線の引き直し」を含みます。4車線化済みの区間は段違いに走りやすく、途中で挟まる未改良の東久保区間と好対照をなしています。

 生瀬工区も工事途中ながら、対面通行で暫定供用している生瀬トンネルを通るだけでも完成後の姿に期待が持てます。今後の東久保工区の進捗にも注目です。