「ガードレールって白じゃないの?」 全国に広まったカラフルな防護柵「ウチの県は夏みかん色なんだが?」

タクシー市場 拡大傾向が続く

ドライブ中に見かける茶色やグレーのガードレール。基本は「白」のはずが、なぜ違う色が使われているのでしょうか。国の景観配慮ガイドラインから、山口県特有の「黄色い」ガードレールの秘密まで、その背景を解説します。

ガードレールがカラフルになったワケ

 山道や観光地をドライブしていると、見慣れた白いガードレールではなく、茶色やグレーの柵を見かけることがあります。これは周囲の景観に配慮して、意図的に選ばれたものです。

 そもそも、白いガードレールが基本だったのには理由があります。道路の端を明確に示し、車両の路外逸脱を防ぐ防護柵は、ドライバーから見やすいことが重要です。白は昼夜を問わず視認しやすく、標準的な色として使われてきました。

 その考え方が大きく変わるきっかけとなったのが、2003(平成15)年に国がまとめた「美しい国づくり政策大綱」です。道路の防護柵などについても、周囲の自然や街並みとの調和を考え、必要以上に目立たせないことが求められるようになりました。

 2004(平成16)年には「景観に配慮した防護柵の整備ガイドライン」が策定され、周辺の景観に合わせて防護柵の色彩を選ぶ考え方が示されました。さらに2017(平成29)年の「景観に配慮した道路附属物等ガイドライン」では、ダークグレーやダークブラウン、グレーベージュ、オフグレーなどが、景観に配慮した基本色として例示されています。

 ただし、2004年より前の基準において白以外の色が認められていなかったわけではありません。当時の基準でも、視線誘導の方法や景観への配慮などを理由に、適切な色彩を採用できる例外が設けられていました。

 その代表例が、山口県の「黄色い」ガードレールです。県によると、黄色いガードレールの採用が始まったのは1963(昭和38)年。この年に山口国体が開催されたのを機に、県が管理する道路のガードレールが、特産品である夏みかんの黄色に統一されました。山の緑に映え、視認性がよいことも理由だったとされています。

 その山口県でも、萩市のように歴史的な街並みが残る地域では、景観に配慮した茶色い防護柵が見られます。

 ガードレールは安全のための設備ですが、色は白に限らず、道路周辺の景観や地域の特性に合わせてさまざまなものが選ばれているのです。