え、リニアの真横に「廃線」が…? 大正・昭和・令和の橋が並ぶ“密集地帯” 500年前の城跡から一望!

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岐阜県中津川市の観光地「苗木城跡」の天守跡に立つと、木曽川に3つの橋が並んでいるのが見えます。令和のリニアの橋が、古い2つの橋と並走することになる区間は、車窓の見どころにもなるかもしれません。

「あれ、リニアの橋だよね? その上の2つは…?」

 岐阜県中津川市に「天空の城」とも呼ばれる山城の跡「苗木城跡」があります。1526年、標高432mの岩山に築かれた天守跡に立てば、眼下に木曽川の渓谷と中津川の街を一望できます。2026年現在、この場所から東方向を見下ろすと、木曽川に3つの橋が近接して架かっているのがわかります。

 いちばん手前に見えるのが、リニア中央新幹線の「第二木曽川橋りょう」を架けるための工事用の仮橋です。いまはまだ低い仮橋があるのみですが、将来的には、いちばん奥に見える県道6号(恵那山街道)の上路トラス橋「玉蔵橋」に匹敵する高さになるかもしれません。

 やや不思議なのが、3つのうち真ん中に架かる橋です。明らかに低く、古びているのが苗木城から眺めてもわかります。実はこれ、廃線となった鉄道の橋梁跡なのです。

 この橋は、北恵那鉄道の木曽川橋梁跡です。北恵那鉄道は現在のJR中津川駅近くにあった中津町駅から、北の下付知駅(旧付知町、現中津川市)までの約22kmを結んでいた私鉄で、1924(大正13)年に開業し、1978(昭和53)年に廃線となりました。木曽川橋梁をはじめいくつかの橋梁が、そのまま残されています。

 木曽川の北岸には北恵那鉄道の恵那口駅跡もありましたが、現在そこはリニアの工事ヤードとなっています。この付近でリニアが太陽の下に顔を出すのは、木曽川前後のわずかな区間だけですが、ここで廃線跡を横断し、大正の鉄道橋と昭和の道路橋を横目に木曽川を渡るのです。もっとも、リニアの速度は500km/hなので一瞬かもしれませんが……。

 リニアは木曽川を渡ると南岸の丘陵をトンネルで貫き、再び地上区間となって、JR美乃坂本駅付近で建設中の「岐阜県駅」に滑り込むこととなります。この近くの千旦林地区にはリニアの車両基地も建設されており、いずれも大規模な高架橋工事や切土工事が進められています。

 ちなみに、北恵那鉄道の木曽川橋梁は現地で間近に見ることはできませんが、苗木城の下を通る市道沿いの森の中にも、北恵那鉄道の「上地橋梁」跡が残っています(市道はかなり狭い区間があるため通行に注意)。ブロック積みの円柱と角柱の橋脚、さらにその上の橋桁も残っており、間近で見ることができます。