鉄道建設・運輸施設整備支援機構は、佐賀県内で西九州新幹線の環境影響評価の実施に向け、地質調査に着手します。
佐賀県内で境影響評価の実施に向けた地質調査へ
鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は、佐賀県内で西九州新幹線の環境影響評価の実施に向け、地質調査に着手します。2026年9月14日に地質調査5件の入札手続きを開始しました。
西九州新幹線は、2022年9月に武雄温泉~長崎間(約66km)が開業し、現時点では国内で最も短い新幹線路線となっています。
現在は博多駅まで直通していないため、途中の武雄温泉駅において在来線特急との対面乗り換えが必要です。そのため、佐賀県内に位置する新鳥栖~武雄温泉間(約50km)が未整備のまま、実質的な分断状態が続いています。
元々は、線路の幅が異なる新幹線と在来線を直通できる「フリーゲージトレイン(FGT)」の導入が想定されていましたが、技術的な課題やコスト面から実用化の目途が立たず断念されました。
その後、国やJR九州はフル規格での整備を提案しているものの、佐賀県は多額の財政負担や在来線の利便性低下などを理由に難色を示しており、現在もルートや整備方式の決定には至っていません。
2026年7月17日、国土交通省と佐賀県が「九州新幹線西九州ルートの在り方に関する2者合意」を締結。佐賀県の財政負担や在来線の利便性低下といった課題、国土交通省が開発を進めたフリーゲージトレインを断念せざるを得なかった特殊事情を確認したうえで、環境影響評価を行うことで合意しています。
国土交通省は、鉄道・運輸機構と連携し、環境影響評価の実施に向けた事前調査を今年度末に完了させる予定です。事前調査終了後、来年度から環境影響評価に着手するとしています。
2者合意では、事前調査と環境影響評価は特定のルートを前提としない方針が盛り込まれています。鉄道・運輸機構は、道路や水路が多い佐賀平野を通るルートとなるため、整備する土木構造物については高架橋が想定されるとしています。
高速走行時でも高い安全性を求められる新幹線の特性や、佐賀平野の軟弱な有明粘土層の分布状況を踏まえ、ボーリング調査などの詳細な地盤状況を把握する調査が始まることになります。