2026年9月に約7年ぶりの復活を遂げた三菱「パジェロ」。かつて存在した小型版「パジェロイオ」には、愛知での生産とイタリアの名門カロッツェリアの技術が融合した「あんかけスパゲティ」のようなモデルがありました。
海外で「ピニン」を名乗ったパジェロ
日本では約7年ぶりの復活となる三菱の新型「パジェロ」が、2026年9月に世界初公開となりました。
三菱は今後、より小さな「コンパクトSUV」と「スモールSUV」の新型2モデルを、パジェロシリーズとして市場投入する予定です。この流れは、かつて親しまれた小型モデルの「パジェロジュニア」や「パジェロイオ」、軽規格の「パジェロミニ」のように、大中小のファミリー群を形成することにつながりそうです。
振り返ると、パジェロミニの拡大版だったパジェロジュニアの後継として、1998(平成10)年6月に登場したのがパジェロイオです。排気量1.8L(のちに2.0L)の“小型なパジェロ”として専用設計されたモデルで、サブネームの「イオ(io)」はイタリア語で「私」という意味。ボディ寸法もいわゆる5ナンバー規格に収められており、「親しみやすい、扱いやすい私のパジェロ」をキーワードとしていました。
パジェロイオは海外でも車名を変えて販売されたのですが、このうち欧州向けモデルの生産はイタリアの老舗カロッツェリア(車体デザイン会社)であるピニンファリーナ社が担当。同社はフェラーリをはじめ、アルファロメオやランチアなどイタリアを代表する数々の名車のデザインや製造を手がけたことで知られ、欧州仕様のパジェロイオは「パジェロピニン」や「ショーグンピニン」、「モンテロピニン」などの名称で販売されました。
さらに1998年8月には日本国内向けに、三菱とピニンファリーナの連携をアピールした「ソレント」という追加グレードも投入されました。ソレントは欧州向けモデルと同じデザインの専用フロントグリルを装着。またシートにはイタリア製の表皮素材を用いたほか、専用のボディ色なども設定されています。
ちなみに国内向けのパジェロイオは、愛知県にある三菱自動車の名古屋製作所岡崎工場で生産されていました。生粋の“愛知育ち”といえるモデルです。
こうしたことを鑑みると、いわば愛知とイタリアの技術の出会いによって生まれたパジェロイオ・ソレントは、たとえるなら「あんかけスパゲティ」のような1台とも言えるかもしれません。