外国為替市場で9月に入り、円相場が上昇している。2日の1ドル=160円台前半から7日には一時154円近辺と、6円超値を上げた。日銀が利上げペースを加速させるとの観測が広がったことが背景。ヘッジファンドなどの投機筋が、低金利の円を借りて高金利国の金融資産で運用する「円キャリー取引」を解消する動きが、円の上昇を加速させたとの見方も強まっている。
市場で注目されたのは、ベセント米財務長官が8月下旬以降、日銀に早期利上げを促す発言を繰り返したことだ。8月30日の植田和男日銀総裁との会談で、円の大幅な過小評価に対処するため、「日本が市場と金融政策で断固たる措置を講じることを強く支持する」と表明した。
今月2日には、日銀の高田創審議委員が記者会見で、利上げについて「2025年までは年2回のペースだったが、26年は局面が変わって新たなレジーム(枠組み)になった」などと述べ、ペースを加速させる可能性を示唆。その後、円が大きく上昇した。
市場では、円キャリー取引縮小の動きが円上昇を勢いづけたとの観測も広がる。このまま円安是正の流れが続けば投機筋は損失につながるため、「先週ぐらいから解消する動きが進んでいる」(国内銀行)との声が上がっている。
〔写真説明〕日銀の植田和男総裁(右)と会談するベセント米財務長官=8月30日、米ノースカロライナ州アッシュビル(ベセント氏のXより)