特殊車両メーカーの極東開発グループが、総工費107億円のテクニカルセンターを新設。全長25m級の車両も丸ごと試験できる巨大施設が誕生しました。
日本初! 連結部まで揺らす巨大シミュレーター
特殊車両や環境関連事業を手掛ける極東開発グループが、総工費107億円をかけた新たな研究開発拠点「テクニカルセンター」を愛知県豊田市に新設しました。
「このテクニカルセンターは“エンジニアの夢”です。これからの極東開発は技術でリードしていく、これが私たちが“なりたい姿”です。これ(テクニカルセンター)があれば実現できる」と、極東開発工業の布原達也社長は胸を張ります。
世界でも5例目! 超大型ブルブル装置
このテクニカルセンターの目玉の一つが、室内で実際の道路走行を再現する「ロードシミュレーター」です。車両に対し、油圧シリンダーでタイヤを加振し、走行時と同じ振動を与えることで製品の耐久性を確かめることができます。特筆すべきは、その対応可能な車両サイズ。一般的なトラックはもちろん、3軸トレーラー、さらにはその“連結部”まで加振できる能力を持っています。
この連結部まで含めた試験が可能な装置は、日本では初めての導入となり、世界でも5例目だといいます。これにより、全長25mにもなる「ダブル連結トラック」のような大型車両も、より現実に近い条件で耐久性試験を行うことが可能になりました。
施設内には車両を持ち上げて整備などを行うためのリフトも設置されており、最大32tまで対応可能。様々な車両の試験や計測を高い精度で行うため、床面には歪みが1mm以下という、病院の手術室と同等レベルの精密な「コンクリート定盤」が用意されています。
マイナス40度から湿度98%まで! 「極限環境」を実現
働くクルマが活躍する現場は、常に快適な環境とは限りません。そこで重要なのが、車両に採用する内製基板や、社外の電子機器などが正常に動作するかを検証する環境試験です。
この施設には、温度をマイナス40度から100度、湿度を20%から98%の範囲で自在に制御できる環境試験室があります。取材時には、室温80度・湿度95%という地獄のような状況下で、ゴミ収集車の運転席に設置されるコントローラーの動作試験が行われていました。これは耐久性や動作を確認するだけでなく、製品に不具合が発生した場合でも、この装置で環境を再現し、原因究明や対策の検証に役立てられるといいます。
また、走行中の振動による部品への負荷を評価する振動試験機も導入されました。新しく導入された大型試験機は、2000kgの部品を10Gの力で振動させることが可能。これにより、重さ800kgほどあるテールゲートリフターも分解せずに丸ごと試験できるようになりました。
あのダブル連結トラックが「ガタガタガタガターッッ!!」
屋外には全幅50m、全長は600mにもおよぶテストコースも用意されています。ここにはヨーロッパの石畳の道路を再現した試験路(ベルジアン路)もあり、実際に巨大なダブル連結トラックがガタガタと振動しながら走り抜け、リアルな悪路走行を再現していました。様々な条件での走行試験をいつでも可能にすることで、開発精度とスピードを高めるのが狙いだそうです。
「エンジニアの夢」を具現化したこの拠点を通じ、極東開発工業は「社会課題の解決と多様化するユーザーニーズへの対応を加速し、高付加価値な製品・サービスを迅速に市場へ届ける」としています。
【▶】これが「極東開発Gテクニカルセンター」の全貌だ!(動画で見る)