BMWの新型SUV「iX3」は、次世代コンセプト「ノイエ・クラッセ」の第1弾モデルです。近年のBMW車で拡大一辺倒にあった“鼻”が小さくなっています。
小さくなった「キドニー・グリル」の狙いは
BMWジャパンは2026年8月、先ごろ7月22日に日本でも発売となった新型SUV「iX3」のメディア向け試乗イベントを実施しました。iX3は同社の次世代コンセプト「ノイエ・クラッセ」の第1弾モデルとなります。
本モデルは、BMWが「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」と呼んでいるSUV「X3」のBEV(バッテリー式電気自動車)版という位置づけです。しかし単にX3を電動化したモデルではなく、デザインや車載ソフトウェア、操作システムなどを大きく一新しており、一充電走行距離はiX3「50 xDrive」で906km(WLTCモード値)を実現しています。
特にエクステリアは、今日のBMWの地位を築き上げた名車「ノイエ・クラッセ」シリーズ(1961~1972年)を思わせるデザインに。ドイツ語で「新しいクラス」という意味で、iX3や新しい「i3」(2026年時点で日本未導入)は、いわばノイエ・クラッセの再来を狙った新世代モデルとして開発されました。
そんなiX3のフロントマスクは、ノイエ・クラッセのものを現代的に再解釈した、横長のヘッドライトと縦長で小ぶりな「キドニー・グリル」が目を引く顔立ちです。その一方で近年のBMW車は、クルマの“鼻”にあたるキドニー・グリルが年々大型化の一途を辿り、ファンからも物議をかもしていました。
「ここ5年から10年ほどのBMW車は、大きなキドニー・グリルによって、クルマやブランドのプレゼンス(存在感)を感じていただけるようなデザインを採用してきました。ユーザーやファンの皆様にインパクトを与え、大きな話題を集められたのはプラスだったと考えています」(BMWジャパン広報)
ただし、「グリルの大型化によるマイナスの面を振り返ると、皆様からは『洗練されたデザインじゃない』といった声をいただくこともありました」といいます。
「さらに近年はクルマに限らず、さまざまなプロダクトで今までよりもシンプルかつ、ミニマルなデザインのものが好まれるようになってきました。こうしたトレンドも踏まえ、iX3や新しいi3といった『ノイエ・クラッセ』シリーズは、オリジナルモデルのイメージを受け継ぎつつ、この先5年、10年先も廃れないデザインを目指しました」(同)
このように、iX3はこれからのBMW車の行く先を示す、重要なモデルと捉えられるでしょう。最後に、BMWジャパンの広報担当者は「この先の近い未来になっても、ユーザーやファンに『BMWのクルマって昔からカッコいいよね』と言っていただける1台になってほしいと願っています」と強調しました。