【カイロ時事】2月に米国と共に対イラン軍事作戦に踏み切ったイスラエルは、イランへの再攻撃を視野に入れているもようだ。あくまで安全保障を最優先する立場で、対イラン制裁による経済的圧力に軸足を移す米国との溝が広がっている。
イスラエルのネタニヤフ首相は7月28日、ホワイトハウスでトランプ米大統領と会談。今後の選択肢として「交渉を通じた取引」「経済的圧力」「大規模攻撃」を議論したとされる。イスラエルは再攻撃を望むとの見方が出る中、米国は今月24日に対イラン制裁拡充を発表した。
米国はイランの核の脅威を訴えつつ、世界経済を左右する原油輸送の要衝ホルムズ海峡の開放を急いでいる。トランプ氏は4月、海峡開放を条件にイランとの停戦を発表。イスラエルは戦闘終結に向けた米国とイランの協議で蚊帳の外に置かれ、両国が6月に署名した覚書ではイランの核や弾道ミサイルの問題は先送りされた。
イスラエルの安保専門家ダン・シュフタン氏は取材に対し、同国の戦略上の判断基準は「イランの核と軍事能力の再建を阻止できているかどうか」で、脅威があれば「イスラエルは行動する」と強調。米国の意向にかかわらず再攻撃することもあり得ると分析した。
ネタニヤフ氏は8月25日、イランと「合意できるとは思えない」と述べ、交渉を疑問視した。イスラエルでは10月に総選挙が行われる予定で、ネタニヤフ氏が率いる与党の劣勢が伝えられる。選挙に向けてアピール材料を求める同氏が、強硬策に出る可能性も否定できない。
〔写真説明〕イスラエルのネタニヤフ首相=7月5日、東エルサレム(AFP時事)