核開発放棄、体制転換実現せず=対イラン、中間選挙前に「現状維持」望む―米

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 【ワシントン時事】米・イスラエルは2月に開始した対イラン軍事作戦で、核開発計画の放棄と体制転換を目指したが、実現していない。逆にイランによるホルムズ海峡封鎖という新たな問題を生み出し、紛争から抜け出せなくなった。11月に中間選挙を控えるトランプ米政権は、衝突が沈静化している現状の「疑似停戦」(米誌アトランティック)の継続を望むが、事態が急変する恐れもある。
 「海軍はもうない。空軍もない。指導者もいない」。作戦の成果を繰り返し誇示するトランプ大統領の発言とは裏腹に紛争は長期化し、高止まりするガソリン価格に有権者の不満が高まっている。ホルムズ海峡開放の実現で「勝利」を演出し、核問題を棚上げしてでも直ちに戦闘を終結したいのがトランプ氏の本音とみられる。
 だが、戦闘終結に向けて6月に米イランが署名した覚書の期限は切れた。防空システムなどの弾薬不足は深刻で、米軍が再び大規模攻撃を仕掛けるのは困難とされる。米軍の選択肢が狭まる中、イランはホルムズ海峡の管理権を巡って譲歩せず、交渉は暗礁に乗り上げた。
 手詰まりの米政権は、軍事攻撃から経済制裁に重心を移そうとしている。ベセント財務長官は24日、二次制裁の対象を広げる制裁強化を発表した。ただ、焦点の中国への対応があいまいで、具体的効果よりも、中間選挙まで軍事的緊張を緩和し、イラン情勢から有権者の目をそらすのが本当の狙いだとの見方もある。
 だが、思惑通り「現状維持」が続くかは予断を許さない。米国による海上封鎖と制裁強化に反発するイランは、湾岸の親米諸国への攻撃など軍事面で行動をエスカレートさせる可能性がある。トランプ氏は応戦するか、合意に向けて再び交渉するかの決断を迫られることになる。
 米シンクタンク大西洋評議会のネイト・スワンソン常駐上級研究員は交渉について「海峡開放と引き換えに、原油制裁の緩和や資産凍結の解除に応じることで、まだ戦闘の出口を見いだすことができる」と語る。ただ、覚書よりも不利になるのは避けられず、「米国の交渉での立場は時間とともに悪くなるばかりだ」と指摘した。 
〔写真説明〕ベセント米財務長官=24日、ワシントン(AFP時事)