韓国、対北朝鮮「蚊帳の外」を懸念=苦渋のトランプ氏頼み

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 【ソウル時事】韓国は、トランプ米大統領が意欲を示す米朝首脳会談実現を後押ししようと懸命だ。北朝鮮は韓国を相手にしない立場で、「蚊帳の外」を避けたい韓国は振り回されてもトランプ氏に頼るしかない。朝鮮半島の緊張緩和に韓国が関与できるかは見通せない。
 趙顕外相は24日、ルビオ米国務長官との電話会談で「最近のトランプ氏のメッセージが米朝対話再開と朝鮮半島の平和につながるよう韓国政府も最善を尽くす」と表明した。李在明大統領も19日、X(旧ツイッター)で、米韓合同軍事演習縮小について「(トランプ氏の)決断に敬意を表する」と持ち上げた。
 昨年来、李政権はトランプ氏を「ピースメーカー」とおだてつつ、自らを「ペースメーカー」と称し、米朝対話に間接的に関与したい意向を示してきた。当面の目標である朝鮮半島の緊張緩和と南北対話再開に向け、当事者として主導権を握りたいところだが、北朝鮮は韓国を「敵対国」と位置付け、対話や交流を拒絶。特に、2019年の米朝首脳会談決裂を巡り、「金正恩朝鮮労働党総書記は当時の韓国の文在寅大統領にだまされたと思っている」(北朝鮮筋)とされ、韓国への不信感が根深い。
 北朝鮮に直接働き掛けることができない以上、韓国は、対米投資やホルムズ海峡への軍事的貢献を迫られたり、一方的に米韓演習を縮小されたりしても、トランプ氏に依存せざるを得ない。
 李政権が想定する望ましいシナリオは、米朝関係が改善し、朝鮮戦争の休戦体制を恒久的な平和体制に変える南北米中の交渉が始まることだ。多国間の枠組みなら南北が同じテーブルに着くことができるという計算だ。李氏が15日の演説で「戦争を終わらせるための当事者間の論議を始めよう。これを通じて北(朝鮮)の核能力高度化を止める実効的な方策も話し合える」と訴えたのも、こうした構想が念頭にある。
 趙氏が19日、トランプ氏の融和姿勢を「南北関係に変化をもたらしうる新たな端緒」と述べるなど、韓国政府には期待感が広がる。しかし、仮に平和協定の論議が始まっても、韓国が休戦協定に署名していないことを理由に「議論から排除される」(北朝鮮筋)と冷ややかな見方もある。 
〔写真説明〕韓国の李在明大統領=25日、ソウル(EPA時事)