熊本地震、「買って食べて応援」広がる=名産品求め、県外から客も

”値上げに強い”飲食店に注目

 熊本県で最大震度7を観測した地震から3週間がたち、農家などの被害が明らかになりつつある。県内外では熊本産の食材を買って復興を支えようとする動きが広がっており、木村敬知事も「『買って応援、食べて応援、来て応援』で、息の長い支援をお願いしたい」と呼び掛けている。
 「購入で応援をお願いします!」。同県氷川町の道の駅「竜北」では、張り紙を掲示して生産者への支援を募る。鹿児島県霧島市の北野常義さん(59)は同町の名産「吉野梨」とマスカットを購入。テレビで被災地の状況を知り、「買って食べることが一番の応援になる」と駆け付けた。
 店は駐車場が地割れするなどの被害を受けたが、職員の野尻耕一さん(41)によると、お盆期間は県外からの客でにぎわい、梨などの売り上げは平常時の約2倍になった。「『頑張ってください』との声も頂き、ありがたい」と話す。
 熊本城(熊本市)近くの「お茶の泉園 熊本城店」では、熊本県八代市で生産された茶葉を使ったスイーツなどを販売。観光で訪れた東京都の新井健介さん(44)は抹茶入りのジェラートを堪能し、「濃厚でおいしい。特産品を消費して少しでも被災地の力になれれば」とほほ笑んだ。福岡県の会社員女性(38)は袋詰めされた茶葉を購入し、「ボランティア活動はできないが、買い物が復興につながればうれしい」と語った。
 店長の谷口哲也さん(63)は「お盆の時期のお客さんは去年の半分ほどに減った」と明かし、「まずは足を運び、熊本のグルメを楽しんでもらいたい」と力を込めた。
 企業も支援に乗り出している。静岡県内で6店舗を構えるとんかつ店「かつ銀」では、15日から店内のサラダバーに熊本産のトマトを使ったドレッシングを置いた。熊本県の取引先から深刻な被害を聞いたのがきっかけで、運営会社の西原洋平社長は「生産を続けるためには定期的に食材を買うことが大事だ」と説明。使う頻度が高く、客が熊本に思いをはせる機会が増えると考えてドレッシングに加工したという。「来年以降も買い支えていきたい」と意気込んだ。 
〔写真説明〕道の駅「竜北」で、氷川町産の農作物購入を呼び掛けるポップ広告=14日、熊本県氷川町
〔写真説明〕道の駅「竜北」で氷川町産の梨を手に取る来館者=14日、熊本県氷川町
〔写真説明〕被災地支援の一環で新たに仕入れた熊本産トマトを手にする、とんかつ店「かつ銀」運営会社の西原洋平社長(にしはらグループ提供)
〔写真説明〕被災地支援の一環で、とんかつ店「かつ銀」が静岡県内の6店舗で提供を始めた熊本産トマトを使ったドレッシング(にしはらグループ提供)