東京ビッグサイトの「下水道展」でマンホールカードに長蛇の列が。実はあまり交換が行われないマンホールに対して、その交換を促すブームが静かに浸透しています。デザインも驚くほど多彩になっています。
300人が行列!「マンホールカード」が大人気
2026年8月4日から8月7日まで開催された「下水道展’26 東京」は、下水道に関する多くの製品が展示されるイベントです。その中でも大きく取り上げられているものの一つが「マンホール」。特に、国内の公道で約7割というトップシェアを誇る日之出水道機器のブースには、多くの人が集まっていました。
会場のいくつかのブースで配布されていたのが、ご当地デザインのマンホール蓋の写真や図柄、設置座標などが記された「マンホールカード」です。あるブースでは配布待機列に300人が並ぶ事態となり、担当者が「500部刷ってきているので大丈夫でしょうが、やっぱり人気ですね」と配布開始を5分早めるほどの盛況ぶりでした。
このカードはコレクターズアイテムとして人気があり、自治体のブースでもご当地マンホールの展示とあわせて配布されるなど、地域おこしの材料としても注目されています。
ブームに沸くマンホールですが、実は大きな課題を抱えているといいます。日之出水道機器の展示担当者は次のように話します。
「マンホールは一見すると耐久性に優れたもののように見えますが、実は腐食や劣化が見た目では分かりにくく、放置すれば重大事故に繋がるケースもあります」
同社では、自社のマンホールの蓋の改築(交換)サイクルを従来品で15年、改良品では30年と見込んでいます。しかし、実際の改築ペースは自治体によって大きく異なります。「改築が活発な自治体でも60年、そうでない自治体で最長のケースは1000年サイクルで交換が見積もられることもあります。それだけ変えることが消極的になる製品なんです」とのこと。
このため、同社は製品供給だけでなく、マンホールの点検も併せて実施。目に見えない劣化箇所を判定し、事故を防ぐために製品交換を勧めているといいます。
このなかなか進まないマンホール交換を後押しする形となっているのが、前述の「マンホールカード」ブームや、全国に広がる「ご当地マンホール」の存在です。アニメやゲームのキャラクターが描かれたものもあり、日之出水道機器も全国の自治体に設置されている「ポケモンマンホール」を手掛けています。こうした取り組みが、足元のインフラへの関心を高めるきっかけになっています。
同社はまた、多角化する需要に応えるべく、様々な新製品を開発しています。ブースの担当者によれば、「豪雨の際にマンホールが溢れ、水柱が立つほどの勢いになるケース」を防ぐ製品や、濡れても自動車などが通りやすい蓋、さらには電波を遮りにくいマンホールの試作品なども展示されているとのことです。