【ワシントン時事】米中間選挙の最大の焦点は、物価高問題だ。株高の恩恵を受ける富裕層が消費をけん引し、足元の経済は底堅さを保つ。ただ、物価高が長期化し、中低所得者層は日々のやりくりに追われ、好況感に乏しい。米イランの紛争でガソリン高が続く中、有権者はトランプ政権の経済政策に不満を強めており、選挙情勢に影響を与える可能性がある。
紛争で先行き不透明感が高まっているものの、企業の業績は好調で、米市場は空前の株高に沸いている。直近の主要株価指数は昨年末から1割上昇。株式の9割弱を所有する上位10%の富裕層は潤い、格差拡大に歯止めがかからない。
商務省の発表では4~6月期の個人消費は3.2%増と、前期(0.5%増)から急回復した。トランプ政権の大型減税に伴う税還付の増加が寄与した。ベセント財務長官は「経済にとって理想的な状況だ。史上最大の税還付シーズンだった」と成果を誇示した。
だが大型減税を巡っては、政権が財源確保のため、低所得者向け医療保険の支出削減を図るなど、弱者にしわ寄せが及ぶ。CNNの最新の世論調査では、大統領の政策で経済が悪化したと回答した割合は65%と、高水準に達した。
多くの市民を悩ませるのがガソリン高だ。車社会の米国では、ガソリン価格が消費者心理に影響しやすい。首都ワシントン近郊で配車サービスに携わる40代男性は「イラン紛争は災害」と憤り、「利益が減っている」と嘆く。
ガソリンを含めエネルギー高が沈静化に向かうかどうかは中東情勢次第と言える。大和総研ニューヨークリサーチセンターの藤原翼研究員は「ガソリン高が解消されなければ格差は広がる」と指摘。2024年の大統領選で経済政策に期待してトランプ氏に投票した有権者が民主党支持に回れば、「選挙結果を大きく左右する」との見方を示した。
〔写真説明〕レギュラーガソリン価格が4ドルを超えたガソリンスタンド=7月25日、ワシントン