「避難所はトイレが重要」=登山家の野口健さん、断水の被災地奔走―感染症対策にも一役・熊本地震

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 震度7の揺れに見舞われ、断水が長期化する熊本県氷川町に、水を使わずに排せつ物を処理できる災害用トイレ6基と大量の飲料水が届いた。持ち込んだのは、登山家の野口健さん(52)。被災地支援を15年以上続けてきた経験を踏まえ、「避難所はトイレが重要」と強調する。
 「これは動かないとまずい」。野口さんは地震発生直後に支援を決断し、SNSで発信を始めた。「必要なら連絡をください」との投稿を見た氷川町役場から要請があり、3日に現地入りした。
 2011年3月の東日本大震災をきっかけに、多くの被災地で支援活動を続けてきた。「トイレ環境が悪いとすぐに感染症が広がってしまう。今回はこの暑さなのに水がなく、そこが一番深刻」と危機感を口にする。
 災害用トイレは、自身が運営する団体などが購入し、ボランティア仲間と大型バンで現地に運んだ。排せつ物を密閉処理する仕組みで、水を必要とせず、感染症につながる細菌や臭気の拡散を抑えられるのが強み。大型トイレカーが入りにくい場所にも搬入できるという利点もある。
 野口さんは16年の熊本地震の際、益城町に約2カ月間、テント村を開設し、被災者約600人を受け入れた。このときも災害用トイレを設置し、「期間中、ノロウイルスの感染者が1人も出なかった」と振り返る。同トイレは24年の能登地震でも活躍した。
 野口さんの支援に対し、氷川町の永田亜希子企画係長は「断水でトイレや洗面所が使えず困っていた。ノロウイルスなど感染症が広がることを懸念していたので本当に助かる」と感謝する。
 氷川町では6日午後6時時点で、4カ所の避難所に計336人が身を寄せている。野口さんは「被災者の方々は足りない物があっても我慢しがち。こういうときは助け合いなので我慢せず言ってほしい」と思いを寄せた。 
〔写真説明〕搬入した災害用トイレを組み立てる登山家の野口健さん(右端)=5日、熊本県氷川町