FIFAの新会社設立&株式売却計画を受け、AFCが声明…「適切なガバナンス」の必要性を強調

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 アジアサッカー連盟(AFC)は29日、FIFAが検討を進める新たな事業会社「FIFA Forward Enterprise(FFE)」の設立構想について声明を発表し、加盟協会との十分な協議や透明性の確保が不可欠だとの見解を示した。

 FIFAは28日、商業事業を担う新会社「FFE」を設立する構想を公表した。FFEは、FIFAワールドカップやFIFA女子ワールドカップ、FIFAクラブワールドカップなど、FIFAが主催する主要大会の運営や商業事業を担う組織となる見込み。放映権やスポンサーシップ、チケット販売、ライセンス事業などを一元的に管理し、FIFAが経営権を維持したまま少数株式を長期投資家へ売却する計画となっている。

 企業価値は200億ドル(約3兆円)を想定し、最大42億ドル(約6300億円)の資金調達を目指す。この資金を活用し、加盟211協会への育成資金を大幅に拡充するとともに、「FIFA Forward」プログラムを通じた世界各国への投資を100億ドル(約1兆5000億円)規模まで拡大する方針だ。一方で、競技運営やルール制定、国際試合日程の策定といったサッカーの統治機能については、引き続きFIFAが担うとしている。

 一方、この構想については、欧州サッカー連盟(UEFA)や北中米カリブ海サッカー連盟(Concacaf)などから、加盟協会への事前説明や協議が不十分だったことを問題視する声が挙がっている。世界最高峰の大会を含むFIFAの商業権の一部を民間投資家へ開放する前例のない仕組みであることから、サッカー統治の在り方や透明性を巡る議論が広がっている。

 こうした状況を受け、AFCも声明を発表。「世界のサッカーの未来を強化する革新的なアプローチを模索することの重要性を認識しています」としつつも、「これほど大規模かつ重大な取り組みは、適切なガバナンス、透明性、そして有意義な協議という原則に基づいて行われなければなりません。サッカーの商業的・財政的な未来を大きく左右する可能性のある決定は、適切な意思決定機関に提案を行う前に、各連盟、加盟協会、その他の関係者との包括的な事前協議を必要とします」と指摘。加盟協会が提案内容を適切に検討・議論できる環境が確保されるべきとの考えを示したほか、FIFAが約束する十分な情報開示を受けた上で、内容を精査する姿勢を明らかにしている。

 FFE設立案は、加盟協会による承認とFIFA評議会(FIFA Council)の正式承認を経て実現する見通し。だが、先のとおり、UEFAやConcacaf、さらにはイングランドサッカー協会(FA)から懸念の声が相次いでいる。最大の理由は、加盟協会への十分な説明や協議が行われないまま構想が公表されたことに加え、ワールドカップなどFIFAの主要大会の商業事業を担う新会社の株式を外部投資家へ売却することで、FIFAの独立性や意思決定に影響が及ぶ可能性があるとの見方が広がっているためだ。特にUEFAは、ワールドカップをはじめとする主要大会は世界サッカー全体の公共財であり、その商業権を投資対象とすることには慎重であるべきとの姿勢を示している。

 一方で、FIFAが掲げる加盟協会への支援拡充という目的そのものには一定の理解を示す声も0ではなく、とりわけ育成資金の恩恵を受ける加盟協会を中心に、構想を前向きに評価する意見が広がる可能性もある。今後は、世界のサッカー界への投資拡大というメリットと、FIFAの独立性やガバナンスをいかに維持していくのか。FFE構想は、世界サッカーの将来を左右する新たな議論の火種となりそうだ。

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