日本各地が最高気温40度以上の酷暑に見舞われる中、どこでも使える「ポータブルクーラー」の人気が高まっている。工事不要の手軽さや手頃な価格が受け、2台目、3台目のエアコンとして需要が拡大。メーカーや小売店は品ぞろえを増やし、持ち運べる「涼」をアピールしている。
ビックカメラ有楽町店(東京都千代田区)では、3万~5万円台の商品が売れ筋だ。エアコンは省エネ基準厳格化で値上がりが予想される「2027年問題」を前に、駆け込み需要の真っ最中。設置工事は足元で約1カ月待ちという。一方、ポータブルクーラーは室外機不要で、ダクト(管)を窓に取り付けるだけのタイプが主流。担当者は「すぐに冷房が必要な方にひとまず案内している」と話す。
台所や洗面所など冷房のない部屋に置く人も増えている。「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(HD)によると、エアコン普及が進んでいない北海道で特に売れ行きが好調という。
新規参入も相次ぐ。ビックカメラが昨年、プライベートブランド(PB)のポータブルクーラーを発売したのに続き、今年はニトリHDが取り扱いを開始。シャープも空気清浄機能が付いた想定価格9万円台の高性能タイプを初めて投入した。
一般的にエアコンより省エネ性能は劣るものの、「想定よりも早めに完売する可能性がある」(ニトリHD)と期待は大きい。「ドンキ」の担当者は、「今後は価格競争も激化するだろう。差別化が必要になる」と話している。
〔写真説明〕ビックカメラ有楽町店のポータブルクーラー売り場=21日、東京都千代田区