夢の日本海沿い高速「未開通の40.8km」どこまでできた!? 用地“ほぼ100%”も「21本のトンネル」が進捗阻む “新方式”で打開なるか

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日本海沿いを縦貫する日本海東北道の未開通区間「朝日温海道路」。想定以上に脆弱な地山が工事を阻んでいます。2026年7月に開かれた連絡調整会議で、その詳細な状況が報告されました。

新潟・山形県境の“最後のミッシングリンク”

 日本海沿いを縦貫する新たな大動脈として整備が進められている日本海東北道。新潟市から秋田市までの約260kmを結ぶ計画で、完成すれば北陸道や秋田道と一体となり、関西から北東北までをつなぐ高速ネットワークが形成されます。しかし、その全線開通にはまだ時間がかかりそうです。

未開通区間は、新潟・山形県境の「朝日温海道路」(40.8km)と、山形・秋田県境の「遊佐象潟道路」(17.9km)の2区間。このうち、特に工事が難航しているのが朝日温海道路です。2026年7月8日、国土交通省や新潟県、山形県などの関係者が出席する「第2回 朝日温海道路連絡調整会議」が開催され、事業の進捗状況や課題が報告されました。

 用地取得は、新潟県側で99%(2025年度末現在)、山形県側では100%と、ほぼ完了しています。しかし、朝日温海道路は県境の山間部を21本ものトンネルで貫くルートであり、工事の難易度が非常に高い区間です。実際の工事は多くの課題に直面しています。

 2025年11月の事業再評価では、脆弱な地山への対策やトンネル技術基準の改定などに伴い、事業費が当初の1900億円から3100億円を超える見込みへと、725億円も増額されることが明らかになっていました。事業進捗率は2025年3月末時点で39%にとどまっており、開通の見通しは示されていません。

 また、新潟県側では複数の時代にわたる大規模な遺跡(上野遺跡、竹ノ下遺跡)が確認され、発掘調査が長期化したことも、事業に影響を与えています。

次々判明する“脆弱な地山” トンネル工事の課題

 最大の課題は、想定以上に脆弱な地山です。会議では、掘削に着手した各トンネルで当初の想定より地山が悪いことが確認され、支保パターン(トンネルを支える部材の組み合わせ)の見直しや、補助工法の追加が必要になっていることが報告されました。

 新潟県側の2号トンネル(仮称)付近では地すべりの発生も確認され、トンネルの安全を確保するため、抑止杭を打ち込むなどの追加対策が実施されています。

 山形県側の鼠ヶ関トンネル(仮称)では、脆弱な地山により変状が発生し、掘削を一時中断。その後の調査で、想定と異なる地質構造の可能性が判明しました。このまま工事を再開した場合、対策のために工事がさらに長期化する懸念があるといいます。

 そこで、この難局を乗り切るため、国交省は「技術提案・交渉方式(ECI方式)」を採用。これは「発注者が最適な仕様を設定できない工事」において、設計段階から施工者の技術や経験を取り入れることで、難易度の高い工事を確実かつ効率的に進めることを目的とした発注方式です。鼠ヶ関トンネルに続き、早田トンネル(仮称)でもECI方式による発注が予定されており、最新の技術で難工事に挑む構えです。

 なお、遊佐象潟道路は2026年度に南北から延伸する予定ですが、県境部の開通見込みは示されていません。