バスの減便や路線廃止の要因となっている運転士不足を受け、東京都が新たな支援策を発表しました。勤続10年目までの運転士に、都独自の手当がつきます。
背景に深刻な「運転士不足」
東京都は2026年6月25日、バス運転士の定着を支援するための新たな補助金制度「バス運転士定着支援特別手当事業補助金」の概要を公開しました。
この制度は、バス運転士の定着支援に関する手当を支給する事業者に対し、都が補助金を交付するものです。バス路線の減便や休止、廃止の要因の一つとなっている運転士不足の解消を目指し、公共交通としてのバス事業の持続可能性を高めることが目的です。
同一のバス事業者で働く勤続1年目から10年目までの運転士、または訓練中の人に対し、月額1万円が支援されます。
事業者は、既存の手当にこの補助金を充当することはできず、新たに「バス運転士定着支援特別手当」を創設して支給する必要があります。補助金は、この手当と、それに伴い事業者に発生する社会保険料の雇用主負担分(支給額の15%)相当額が一括で交付されます。
対象となる社員は、事業者に直接雇用され、原則として都内の営業所に勤務する人です。勤務形態は常勤・非常勤を問わず、所定労働時間または実労働時間が週20時間以上または月80時間以上であることが条件となります。
補助を受けられるのは、都内に本社または営業所を置く路線バス事業者です。ただし、高速バス路線のみを運行する事業者や、国・地方公共団体が直接運営する事業者(都営バスなど)は除きます。
また、事業者側にもいくつかの要件が定められています。具体的には、DX技術の導入による運転士の負担軽減や、女性や外国人などが活躍するための環境整備といった労働環境の改善に既に取り組んでいるか、当該年度内に取り組む具体的な計画があることが必要です。さらに、給与規定などで住宅手当やそれに類する手当が定められ現に支給されているか、あるいは社宅など住居を提供する福利厚生制度が整備されていることも条件となっています。
補助対象期間は、2026年4月1日から2027年3月31日までです。この事業による手当は、2026年4月1日に遡って補助対象とすることが可能です。事業者からの交付申請は、8月1日から10月30日まで受け付けられます。