チームメイトも太鼓判「彩艶はめちゃくちゃ止めますよ」 日本代表の守護神・鈴木彩艶、“勝つためのセーブ”でブラジル完封狙う

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 FIFAワールドカップ2026で「優勝」という目標を掲げ、2022年カタール大会からの約3年半で着実な進化を遂げてきた日本代表。その真価が問われるのが、決勝トーナメント1回戦(ラウンド32)ブラジル代表との大一番だ。

 ここまでオランダ、チュニジア、スウェーデンに1勝2分無敗で乗り切ってきたが、次戦の相手はレベルが一気に上がる。しかも、90分間で決着がつかない場合は延長・PK戦まである。ご存じの通り、日本代表は2010年の南アフリカ大会、2022年のカタール大会の決勝トーナメント1回戦ではPK戦までもつれ込み、どちらも涙を呑んでいる。

 もちろん90分間、120分間で決着をつけられればいいが、PK戦を勝ち切れなければ、次のステージに進むのは難しくなる。それは森保一監督以下、レジェンドコーチ陣たちも痛感していること。その高い壁を乗り越えるべく、今大会に向けて分析スタッフを増やし、よりトレーニングの回数を増やすなど、さまざまなアプローチを進めてきたのである。

「僕たちもPK戦は練習してきているので、自信を持ってPK戦に臨むことができる。(鈴木)彩艶もいいですし、どんな状況でも慌てないことが大事。彩艶はめちゃくちゃ止めますよ」。渡辺剛もこう自信をのぞかせたが、今回は欧州5大リーグで定位置を確保している絶対的守護神がチームにいる。それは本当に心強い要素を言っていい。鈴木自身も「しっかりと相手のやり方を分析しながらやっていきたい」と目を輝かせた。

 今の鈴木であれば、本当に軽々と過去の苦闘の歴史を乗り越えていってくれるのではないかという期待感が高まってくる。実際、今大会に入ってからもスーパーセーブを連発。結果的にはオランダとスウェーデンに合計3失点はしているものの、鈴木がゴールマウスを守っていなかったら、もっと点を取られていたと思われるシーンも数多くあった。

「僕としてはすごいセーブをしたという感覚はなくて、確実に取れるボールを確実に取ったという感覚。今は『負けないセーブ』ができていると思うんですけど、次は『チームが勝つためのセーブ』が必要になると思う。より僕の重要性が高くなるのかなと感じています」と本人も強い自覚を持って、ビッグマッチのピッチに立つ構えだ。

 ブラジルの基本布陣は『4-3-3』。初戦のモロッコ戦は『4-4-2』に近い形で戦っていたが、やはり攻撃のキーになるのは、左ウイングの位置から切れ込んでくるヴィニシウス・ジュニオールと最前線に陣取るマテウス・クーニャだ。今大会でヴィニシウスは4点、クーニャは3点を奪っており、2人だけでブラジルの全7点を叩き出している状況だ。得点源が2人に集中している分、日本守備陣にとっては守りやすいと言えるかもしれないが、いざという時のミスは許されない。そこは鈴木も心得ている点だろう。

「ブラジルは選手個人個人の特徴もありますし、ヴィニシウス選手だったりは本当に1対1の強さがある選手。そういったところにどう対応していくかはカギになると思います。ペナルティエリア周辺の強度だったり質は必ず上がるので、より一層、警戒しなければいけないかなと考えています」

 23歳の守護神は冷静にコメントしたが、すでに守備陣とは意思疎通ができているはずだ。ヴィニシウスらブラジルのアタッカーは前残りする傾向が強いため、ボールコントロールのミスはご法度。ちょっとした隙を与えたら、ショートカウンターの餌食になることも覚悟して、それを徹底的に封じることが肝要だ。

 そうやって相手を焦らすことができれば、日本にとっては理想的。鈴木もより余裕を持ってゲームをコントロールできるだろう。最後尾に陣取る以上、チーム全体に安心感と安定感を与えるのも大きな仕事。ここまでは非常によくやっているが、本当に真価を問われるのはここからだ。

「このワールドカップで本当にガチンコのブラジルと対戦できるのは嬉しいことだと思いますし、こういったところを突破していかないと、僕たちが掲げている優勝は成し遂げられない。まずはここの一つの壁をみんなで乗り越えたいなと思ってます」と背番号1は力強くチームをリードしていく覚悟だ。

 今大会を経て、鈴木はよりハイレベルのクラブにステップアップしていくと見られるが「ブラジル戦を完封して勝利した守護神」になれるか否かで、今後のキャリアは大きく違ってくる。日本代表の未来もそうだろう。彼はまさに「自分が日本サッカーの命運を左右する存在」に他ならない。鈴木彩艶が日本代表を未知なる領域に連れていってくれることを信じて、我々は歴史的一戦を熱い思いを持って見守りたい。

取材・文=元川悦子

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