上田綺世、日本代表を“最高の景色”へ導くゴールを!「僕にとってこれ以上ないモチベーションで臨める」

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 FIFAワールドカップ2026もグループステージ全日程が終了し、ベスト32が出揃った。オランダ代表対モロッコ代表など好カードがいくつかある中、日本代表対ブラジル代表も世界中から注目されるビッグマッチになりそうだ。

 2006年のドイツ大会で1-4の惨敗を喫した頃、日本とブラジルの格差は凄まじいものがあった。しかしながら、2010年の南アフリカ大会から5大会連続出場している大ベテラン・長友佑都は「ここ10年、20年で考えると、日本の方がレベルアップしているんじゃないかなと。僕らの向上幅の方が大きいと思うので、今の僕たちだったらブラジル相手でも全然倒せるなという自信はありますね」と断言。大一番の勝利の確率は間違いなく上がっているはずだ。

 そのためにも、日本はいかにしてブラジルからゴールを奪うかを考えなければならない。2025年10月のキリンチャレンジカップでは、南野拓実、中村敬斗、上田綺世と3ゴールを奪って劇的逆転勝利を挙げているが、「今回のブラジルはあの時とは全く別のチーム」と鎌田大地を筆頭に多くの面々が強調。得点へのハードルはより一層上がってくるだろう。

 特に最前線の上田にしてみれば、対峙するセンターバックの質が格段にアップする。前回は代表実績の乏しいファブリシオ・ブルーノとルーカス・べラウドがコンビを組んでいたが、今回はガブリエウ・マガリャインスとマルキーニョスの鉄壁コンビが有力視されるのだ。

「ガブリエウ・マガリャンイス選手くらいのクオリティの選手は、他のリーグでは見られないし、間違いなく今のプレミアの中でも、誰が見てもトップ3に入るセンターバックだと思う」と鎌田も神妙な面持ちでコメントしていたほど。上田としてもボールを収める仕事、フィニッシュに至る動きなどをこれまで以上に研ぎ澄ませ、鋭さを持って立ち向かわなければならないはずだ。

「(得点へのイメージについて)それはないです。でも、やってみなきゃ分からないし、それがあったら誰でも点を取れるんで。今の自分は持っているものをぶつけるだけ。ブラジル相手にワールドカップというこのシビアな環境でできるのかというのも大きなトライになる。僕自身100%でぶつかっていくし、自分はこの環境でどれだけ結果を残せるのかが問われる試合になると思います」

 上田らしい独特の言い回しでこう語っていたが、これまで蓄えてきた実力・経験値を全て結集させて、王国守備陣に真っ向勝負していく覚悟を固めている様子だ。もしかすると、この一戦は上田のプロサッカー人生の中で最もハードルの高いゲームになるかもしれない。そういう中でも、今の上田はそれを楽しむ余裕を持ち合わせている。それが2022年のカタール大会で「自分は何もできなかった」と打ちひしがれた時との大きな違いではないか。

「ワールドカップは普段のリーグ戦とは全然違いますし、変わらずプレーできる選手なんかいないと思います。少なからず僕自身も緊張しますよ。背負っているものが違うし、4年に一度という大会で本当に次がないから。ブラジル戦次第でこの大会がここで終わってしまうかもしれないという戦いなので、もしかしたら奇跡を起こす必要があるかもしれないですからね。ただ、何が起きるか分からないこの一発勝負は本当にスリルがある。僕にとってこれ以上ないモチベーションで臨める環境なのかなと思います」とポジティブなマインドでビッグマッチを迎えるつもりだ。

「攻撃はある程度できると思う。ボールを持てる時間はあるだろうし。グループステージは基本相手が5バックだったので、そこはなかなか難しかったですけど、ポケットへのランニングだったり、自分たちがやりたいことが今回はできるだろうし、そんなに心配はしていません」シャドーでスタメン出場する可能性が高そうな鎌田はこう話していたが、鎌田やもう1枚のシャドーで出ると見られる前田大然、そして両ウイングバックの中村敬斗と堂安律が相手陣内に深い位置まで侵入し、守備陣のギャップを作ることができれば、上田がいい形で飛び込むチャンスを生み出せそうだ。

 そうなれば、日本のエースFWはラストパスやクロスを冷静に仕留めばいい。25−26シーズン、エールディヴィジ得点王にはその大仕事ができるはず。ブラジル戦で日本を勝利へ導くゴールを奪えれば、上田綺世自身の価値は爆発的に上がる。そういう最高のシナリオを現実にできるだけの能力が今の背番号18にはある。それを自然体で証明すればいいのだ。

「ブラジルは世界における日本の現在地を示す相手としてはこれ以上ないチーム。ここで勝てれば、より優勝に弾みがつくと思うし、僕らもより自信を持ってその先のベスト16、まだ行ったことのないベスト8に続いていけると思います。本当にこれ以上ないチャレンジなりますね」

 改めて目を輝かせた点取り屋が圧巻のパフォーマンスを見せ、ヒューストンの地で日本代表が歓喜の雄たけびを上げる……。そんな瞬間を日本中の人々が待ち望んでいる。上田綺世は勝利請負人になれるか否か。その一挙手一投足を固唾を飲んで見守りたい。

取材・文=元川悦子

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