週明けの国会は、衆参両院で審議拒否に踏み切った野党が審議に復帰し、議事運営が正常化するかが焦点だ。自民党が高市早苗首相出席の衆参予算委員会の集中審議などを確約し、野党の理解を得られるかがカギを握る。会期末が7月17日に迫る中、法案審議の日程は窮屈さを増す。日本維新の会は自民に対する会期延長要求を強める構えだ。
与野党対立が激化したのは、首相が秘書による中傷動画作成疑惑を巡り、22日の国会答弁で「秘書の陳述書を提出し、答弁に代えたい」と語ったのが発端だ。野党の参院各会派は国会軽視だと反発を強め、集中審議と党首討論の7月開催を要求。自民が難色を示したため、確約が得られるまでは審議日程の協議に応じないと通告した。
衆院の野党各党も集中審議と党首討論、秘書の参考人招致を要求し、自民が26日に維新肝煎りの衆院議員定数削減法案などの委員会付託を強行したのをきっかけに、審議拒否に突入した。
国会では刑事訴訟法改正案、防災庁設置法案、個人情報保護法改正案など重要法案がなお審議中で、自民国対幹部は「30日までに正常化できなければ成立が危ぶまれる法案が出てくる」と語る。
正常化の行方を左右するのは集中審議などを自民が野党に約束できるかどうか。ただ、松山政司参院議員会長が24日に首相に直談判した際、首相は「応じる必要があるのか」と強い難色を示したとされる。首相は26日の国会答弁で「国会から要請があれば出席する」と語ったが、自民幹部は「誰も額面通りに受け取らない」とぶちまけた。
国会正常化が遅れれば遅れるほど、法案審議の日程は厳しさを増す。特に維新が「改革のセンターピン」と位置付ける定数削減法案と「副首都」創設法案は野党の反発が強く、成立困難との見方が広がる。このため、維新は「実現のためには会期を延長すべきだ」(幹部)と自民に迫る構えだ。
政府は皇族数確保に向けた皇室典範改正案を30日にも国会に提出する方針。ただ、不正常な議事運営が続く限り、審議入りは見通せない状況だ。自民は今のところ会期延長に否定的だが、最優先課題と位置付ける典範改正案の成立が危ぶまれる状況になれば、延長論が強まる可能性もある。
〔写真説明〕衆院予算委員会で挙手する高市早苗首相=22日、国会内