自民、見通しなき強硬路線=予算委出席に高市首相難色―終盤国会に暗雲

2026年、駆け込み事業承継に注目

 日本維新の会肝煎りの衆院議員定数削減法案と「副首都」創設法案の衆院審議入りに向け、自民党が両法案の委員会付託を強行した。高市早苗首相が衆院の3分の2超を占める与党の「数の力」を背景に強気の姿勢を強めていることが背景にある。野党各党は猛反発しており、今国会は会期を3週間残して一気に不正常化した。
 「野党の出席がいまだ得られない。やむを得ず議事を進める」。衆院議院運営委員会の山口俊一委員長(自民)は26日の委員会で、職権による議事進行を宣言。中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらいの野党4党が欠席する中、2法案の委員会付託を与党だけで議決した。
 自民が強硬姿勢を強めた背景には首相と維新の強い意向がある。維新は2法案を「改革のセンターピン」と位置付けており、維新に首相指名選挙での恩義を感じる首相は自ら与党内調整に乗り出し、22日の吉村洋文維新代表との会談で「今国会で成立させるべく進める」と約束した。
 野党が2法案付託の条件として求めたのは、首相が出席する集中審議と党首討論を7月に行うことだった。しかし、関係者によると、首相は自民幹部からの出席の打診を「応じる理由がない」とかたくなに拒んだ。自民関係者は「なぜこんなことになるのか」と首相への不満をにじませた。
 強硬姿勢に転じた影響は小さくない。中道など4党に共産を加えた野党5党は26日の国対委員長会談で、衆院の一切の審議を拒否することを確認。既に不正常な参院と合わせて国会全体の審議が止まり、維新肝煎りの2法案だけでなく、他の政府提出法案の成立すら見通せなくなった。
 中道の重徳和彦国対委員長は「数に物を言わせた暴挙だ。一致結束して徹底抗戦する」と記者団に強調。是々非々を掲げる国民民主の古川元久代表代行も「静かな環境を自らひっくり返す暴挙。断じて許せない」と猛反発した。
 政府は皇族数確保に関する皇室典範改正案を来週にも国会に提出する方針だが、このままでは同改正案すら審議入りのめどが立たない。自民幹部は「首相の気持ちを変えるしかない。説得するしかない」と自分に言い聞かせるように語った。 
〔写真説明〕閣議に臨む高市早苗首相=26日午前、首相官邸