ANAが2026年4月、空港ラウンジ利用を始めとする”上級会員”向けの優待サービス「ANAスーパーフライヤーズカード」の内容変更を発表。批判をうけ6月、その内容を見直すに至りました。このサービス変更はなぜ生まれたのでしょうか。株主総会で同社社長が回答しています。
4月に「300万円ルール」→6月に「見直します」
ANA(全日空)などを傘下に持つANAホールディングスが2026年6月26日、定期株主総会を開きました。ANAでは2026年度、利用者へのサービス内容を大きく変更。利用者や株主から批判が寄せられていました。そのうちの一つが、一定条件を満たした利用者が、空港ラウンジ利用を始めとする”上級会員”向けの優待サービス「ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)」の内容変更です。これに対して、運航会社のANA平澤寿一社長が回答しています。
現行のルールでは、一定条件を満たした利用者はSFCの会員資格が付与され、取得後は、カードの保持のみでラウンジ利用など多数のサービスを半永久的に受けることができました。そのため1年間のあいだに集中的にANA便を利用し、マイレージを貯めるなどの”マイル修行”をして会員資格を得た上、カード取得後はその資格を保持し特典を受け続けるというのが一般的でした。
2026年4月に発表された新ルールでは、SFC会員を年間300万円のカード決済が必要となる「SFC PLUS」と「SFC LITE」の2つの区分を新たに設定。「SFC LITE」はラウンジ利用ができなくなるというもの。これに対しSNSでは、ラウンジの混雑緩和を評価する声もある一方で、「改悪だ」とANAへの批判が殺到する状況が続いていました。これをうけ2026年6月ANAは、4月に発表したものから再検討すると公式サイト上で発表。「300万円ルール」は事実上、見直しとなったわけです。
ANA平澤社長はこの改定の背景について、「スーパーフライヤーズカードは長年多くのお客様にご愛顧いただき、年々会員様が増加しております。一方で、それに伴い、将来にわたって安定的にサービスを提供することが難しくなってまいりました」と説明します。
高いハードル「300万円」としなければならなかった”切実な事情”
さらに、平澤社長は次のように続けます。
「一方で、それに伴い、将来にわたって安定的にサービスを提供することが難しくなってまいりました。中でも近年、当社の空港ラウンジは大変混雑しており、羽田、新千歳、福岡、那覇などの主要空港では、ピーク時間帯に座れない、あるいはご利用いただけないといったケースが発生しております。当社のシミュレーションでは、今後2030年度に向けて、この混雑はさらに悪化していくことを想定しております
解決を図るため、これまでも度重なるラウンジスペースの拡張等を実施してまいりましたが、空港の施設要件上、これ以上の拡張は非常に難しい状況です。その結果、大変心苦しいことではございますが、新たなルールを設けざるを得ないというのが今回の制度改定の主な背景でございます。
そうした中、搭乗回数を基準とすることや、入会資格の厳格化など、あらゆる方策を検討いたしましたが、今後もサービスを安定的に維持するためには、年間決済額300万円という基準を設定させていただくとの決断に至りました」
そして同氏は「4月23日の発表以降、株主様、お客様から非常に多くのお声を頂戴している現状を受け、皆様のご意見に真摯に耳を傾け、本制度の改定内容について見直しを行うことといたしました」とし、今後の新たなSFCのサービス内容については「上期中をめどに、弊社ホームページなどを通じて皆様にご案内させていただきます」とコメントしています。