なんという巨大な地下トンネル…! 建設たけなわ「横浜の圏央道」へついに潜入 住宅街の地下に“日本最大断面” まるでトンネル技術の見本市!?

2026年工作機械好調の要因は?

圏央道の未開通区間として建設中の横浜環状南線の現場が公開。そこには、開通したら誰もが目を見張るであろう「巨大な地下空間」がありました。

7割が地下「横浜の圏央道」超ド級の工事現場

 NEXCO東日本は2026年6月18日、「圏央道」の一部となる建設中の高速道路「横浜環状南線」の見学ツアーを開催しました。

 横浜環状南線は、首都高湾岸線や横浜横須賀道路と接続する釜利谷JCTから西へ、国道1号の戸塚ICまでを東西につなぐ約8.9kmの路線です。途中の栄JCTにて、新湘南バイパスの藤沢ICから延びてくる横浜湘南道路(NEXCO中日本が担当)と接続し、両路線で「圏央道」の一部を構成します(未開通のIC・JCTは全て仮称)。

 このうち横浜の住宅街を通過する横浜環状南線は、全体の約7割が地下構造となります。今回は主にその地下区間、釜利谷JCTから環状4号線との交差部に至る「釜利谷庄戸トンネル」区間約1kmと、その先の「公田(くでん)IC」周辺の工事現場が公開されました。

 一行を乗せたバスは釜利谷本線料金所を過ぎ、釜利谷JCTのランプから工事ヤードで一通りの説明を受けます。そこからいよいよバスでトンネル区間に潜入します。

 バスが進むのは、将来の上り線トンネル。ここを逆走する形で西へと進みましたが、向こう側からも次々と工事用車両がやってきます。じつは、上り線はすでに公田ICまで全て通れるようになっているのだとか。

 後述しますが、周辺が住宅街のためトンネル区間の施工はほとんどが地下で、地上の工事用車両の行き来をなくすように行われてきました。工事の進捗に伴い上り線を使って車両の行き来が可能になったことで、施工性が段違いに上がっているといいます。現在、工事用車両は主に、公田IC周辺の開削工事区間の資材や土砂などを運搬しているそうです。

 バスで進んだのは上り本線のトンネルですが、この区間は上下本線とランプ2本の計4本のトンネルが並列しており、トンネルとトンネルの最小離隔はなんと60cm。大人ひとり分の幅くらいでトンネルが近接する技術的に難しい区間です。

 そして、その先で地下空間が大きく広がりました。これが、道路トンネルでは日本最大、いや世界最大かもしれないという地下空間です。

すげーーー!!! 開通したらみんな叫ぶ!?

 本線トンネル2本の両側にランプトンネルが並列する「4連区間」を抜けた先にあるのが、その本線とランプが合流・分岐する「分合流区間」です。ここでは、片側3車線断面の本線トンネルと、2車線断面のランプトンネルが地下で並ぶ大空間が上下線ともに構築されています。

 空間の幅は最大約29m、掘削断面量にすると最大約480平方メートルだそう。この空間が、たった1mの離隔で2つ並んでいます。ちなみに、この断面は鎌倉の大仏が4体並列で収まるほどの広さだそうです。

「地下の道路トンネルでこれだけの大空間は世界にも類がありません。実際、ギネス記録にも申請したのですが、『データがない』とのことで登録には至りませんでした」(NEXCO東日本 横浜工事事務所町 松本育之さん)

 現在はトンネルの底部に簡易な舗装がなされていますが、掘削が終わった当初は高さ約20mのもっと大きな断面だったそう。いまは空間の内壁(セグメント)を構築する工事が行われています。実際に供用した際にも、断面の大きさはほぼ変わらないというので、初めて通った際には地下空間の広がりに目を見張るかもしれません。

その先は一転して「狭~いトンネル」

 この分合流部(264m)は「庄戸トンネル」の一部ですが、同トンネルはその先で一転して、狭い箱型の空間になります。これは、地上からの土被りが最小で1.7mしかない「低土被り区間」(300m)と呼ばれます。

 ここが、前出した「地上の工事用車両の行き来をなくす」ために、最も時間をかけて施工をした箇所の一つだそう。通常なら地上を開削して函体のトンネルをつくるところ、住民との協議を経て、地下から非開削で構築していったのだといいます。

 具体的には、函体を10個のブロックに分け、小さなトンネルの中で各ブロックをつくり、つなげていきます。つまり、1つのトンネルを作るために、10個の地下トンネルを順次掘って、そのなかで函体を部分的に構築し、隣とつなげ、周りを埋め戻すという作業を繰り返しています。上り線はすでに通れるようになっていますが、未だ函体は構築中です。

 まるで「トンネル技術のデパート」のような釜利谷庄戸トンネルですが、その先はさらに、シールドマシンで掘りぬかれたトンネルが待っています。別稿でお伝えします。