ドイツ製戦車の最新型の砲塔は無人!? 従来コンセプトから大きく変わる未来の戦車の姿とは?

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2026年6月15日から開催さている防衛展示会「ユーロサトリ2026」で、欧州防衛企業グループKNDSが将来戦車の方向性を示す試作車両「レオパルト2 A-RC 3.0(以下、A-RC 3.0)」を公開しました。

従来シリーズから大幅変更! ドイツ製戦車の最新コンセプトモデルは無人砲塔

 フランス・パリ近郊で2026年6月15日(現地時間)から開催されている防衛展示会「ユーロサトリ2026」で、欧州防衛企業グループKNDSが将来戦車の方向性を示す試作車両「Leopard 2 A-RC 3.0(以下:A-RC 3.0)」を公開しました。

 展示された車両は従来のレオパルト2を発展させた形となっていますが、砲塔部分は従来の戦車とは大きく異なっています。

 主武装は現行戦車でも広く採用されている120mm滑腔砲ですが、砲塔上部には30mm級の遠隔操作式兵器ステーション(RWS)も搭載しています。これは対地射撃だけでなく、接近する小型ドローンの迎撃も想定した装備です。さらに車体と砲塔には、アクティブ防護システム(APS)のランチャーやレーダー、敵の光学機器を探知するセンサー、全周監視用カメラ群を統合。砲塔後部には偵察や対ドローン用途を想定した発射式ドローンプラットフォームまで備えています。

 これらの装備は、A-RC 3.0が単なる「砲を積んだ戦車」ではなく、センサーや無人機、対ドローン能力を統合した戦闘プラットフォームとして設計されていることを示しています。

 今回展示された車両は、2024年に初公開されたコンセプトの発展型にあたります。KNDSの担当者によると、前回より完成度が高まり、防御装備や各種システムの具体化が進んだ段階にあるといいます。

3.0の意味は?

 車名の「A-RC 3.0」は、この車両のコンセプトそのものを表しています。「RC」はRemote Controlled(遠隔制御)を示し、「3.0」は車体側に3人、砲塔側に0人という乗員構成を意味します。

 従来の戦車では、操縦手が車体前方に配置され、車長と砲手は砲塔内に搭乗するのが一般的でした。しかしA-RC 3.0では、砲塔バスケットと呼ばれる砲塔内部の乗員区画を廃止し、砲塔内部を完全に無人化。乗員全員を車体前方へ集約して配置しています。

 この変更は、単なる装填作業の自動化や人員削減といった近年の戦車開発の延長線上にあるものではありません。KNDSによると、その狙いは「重量低減」と「防御効率の向上」にあるといいます。

 従来型戦車では、砲塔に人が搭乗するため広い内部空間と厚い装甲が必要になります。一方、無人砲塔であれば、人命保護を前提とした空間や装甲を削減できます。その分、乗員区画を小型化して重点的に防護できるほか、車両全体の重量も抑えられます。A-RC 3.0は条件によって60トン未満を目標に設計されているそうです。

 また、無人砲塔化は戦車の視界確保や周辺状況の把握方法にも変化をもたらします。従来の戦車に備わっていたペリスコープなどによる目視確認は基本的に廃止され、多数の監視カメラや光学センサーを統合した全周監視方式を採用。乗員は車内から映像情報を共有し、さらにドローン映像も統合して状況認識を行う構想です。将来的には半自律走行や、乗員間で役割を柔軟に切り替える運用まで見据えているといいます。

 もちろん、A-RC 3.0は現時点で量産を前提とした車両ではありません。しかし、その展示内容からは欧州が次世代戦車に求める方向性が見えてきます。それは単に大口径砲や重装甲を追求するのではなく、無人化と情報統合によって戦場での生存性そのものを高めようとする試みだといえるでしょう。

 現在、フランスとドイツは共同で次世代戦車を開発する「MGCS(陸上主力戦闘システム)計画」を進めており、その実用化は2040年代になると見込まれています。そのため、ドイツ軍がA-RC 3.0を中継ぎ的な装備として採用する可能性も考えられますが、それ以上に、現在欧州各国が採用しているレオパルト2の後継車両として配備される可能性もあります。