イラン出身者、安堵と不安=ナフサ供給回復に期待―戦闘終結合意

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 米国とイランの戦闘開始から3カ月半。両国が戦闘終結で合意したとの発表を受け、日本国内のイラン出身者には15日、安堵(あんど)が広がった。一方、石油製品ナフサなどの不足に頭を痛めていた事業者からは供給回復への期待も聞かれた。
 福岡市でペルシャじゅうたん店を営む永久弗ホセインさん(62)は、姉3人と兄が首都テヘランで暮らす。「戦争は早く終わってほしかった。まずはうれしい」と語った。
 ただ、ホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴い、じゅうたんは約3カ月間輸入できていない。値上げなどで対応したが、経営は厳しさを増す。再封鎖の不安は消えないという永久弗さんは「戦争が完全に終わってほしい」と訴えた。
 東京都新宿区のペルシャ料理店で働くエリー・ダーラミさん(59)も、母や妹がテヘランで暮らす。インターネットが遮断されて連絡がほとんど取れず、不安な日々を過ごした。「戦争は市民を不幸にしただけ。一体、何のために行ったのか」と憤る一方、「時間はかかるだろうが、国民が安心して暮らせる日々が戻ってほしい」と話した。
 杉並区でペルシャ料理店を営むボルボル・ホセインさんは終戦合意を知り、テヘランで暮らす姉らに連絡を取った。「少し落ち着いて良かったね」と声を掛けたという。
 海峡封鎖はさまざまな分野に影響を及ぼした。ナフサの供給不安に悩まされた「小林ランドリー工場」(品川区)の小林史明社長(53)によると、3月までは18リットルで4000円程度だったナフサ由来の溶剤は6000~7000円に値上がりした。
 経営維持のため、衣類などのサイズに応じた追加料金を導入した。供給が落ち着いたら撤廃予定だが、「一度値上げしたものが下がることはないのでは」と不安がる。衣類用ハンガーなども原料は石油由来のため、小林社長は「ハンガー使用をやめるなど、業界全体で対応を考えるときが来ているのかも」と話した。
 大阪府公衆浴場業生活衛生同業組合(大阪市)には200超の銭湯が加盟するが、山谷昌義事務局長(67)によると約半数は湯を沸かすボイラーの燃料に重油を使う。入浴料改定は府知事が決定するため、値上げ実施には数カ月以上かかる。山谷事務局長は「あとはとにかく、重油価格が戻ってほしい」と願った。 
〔写真説明〕コスト高に苦しむクリーニング業者=15日午後、東京都品川区の小林ランドリー工場
〔写真説明〕クリーニングの追加料金を知らせる張り紙=15日午後、東京都品川区の小林ランドリー工場