インド旅客機墜落から1年、真相見えず=人為的要因か欠陥か―最終報告書待つ遺族

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 【ニューデリー時事】インド西部アーメダバードで旅客機が墜落し、計260人が死亡した事故から12日で1年。これまでの調査で、エンジンに燃料が正常に供給されていなかったことが墜落の原因だったと判明している。ただ、不注意か意図的か、装置の欠陥によるものかは不明だ。遺族は「真実を知りたい」と、最終的な調査報告書の公表を待っている。
 航空大手エア・インディアが運航するアーメダバード発ロンドン行きの米ボーイング787型機は離陸約30秒後に市街地に墜落した。奇跡的に生還した男性客1人を除く乗客乗員241人と、地上で巻き込まれた19人が犠牲となった。
 「家族皆にとってひどく困難な道のりだった。むなしさを日々感じている」。西部ラジャスタン州で宿泊施設を営むディパンシュ・ジャリワルさん(25)はこの1年を振り返った。ジャリワルさんは事故機に乗っていたアーメダバード在住のいとこ、アビナブ・パリハールさん=当時(42)=を失った。
 スクラップ業者のパリハールさんはビジネスのチャンスを求め英国に向かおうとしていた。ジャリワルさんは「兄以上の存在だった。とても楽しい人でよく笑わせてくれた」としのんだ。
 航空機事故調査局が昨年7月に発表した暫定報告書によれば、離陸直後にエンジンへの燃料供給を制御するスイッチがオフになり、急速に推力を失った。墜落直前に機長と副操縦士のうちの一方が「なぜ(スイッチを)切ったのか」と問い、もう一方が「切っていない」と応じる音声記録が残されていた。
 その後、スイッチを切ったのは機長だったと報じられた。機長が精神的な問題を抱えていたとの情報もある。「自殺飛行」説が浮上する中、インドのパイロットでつくる団体は電気的な故障が起きた可能性も調べるよう当局に求めている。
 ジャリワルさんは「なぜ、どのように、誰が間違えたのか知りたい。包括的かつ最終的な報告書が示され、厳格な安全対策が取られることを望んでいる」と話した。米ブルームバーグ通信によると、エンジンの調査が終わっておらず、最終報告書の公表まで3カ月程度かかる見込みだ。 
〔写真説明〕墜落した旅客機の残骸=2025年6月、インド西部アーメダバード(AFP時事)
〔写真説明〕旅客機墜落事故で亡くなったアビナブ・パリハールさん(右)と、その息子=2023年ごろ、インド西部アーメダバード(いとこのディパンシュ・ジャリワルさん提供・時事)