日銀は利上げ継続を=対応の遅れ、過度な円安招く―中尾元財務官

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 中尾武彦元財務省財務官は時事通信の取材に応じ、現在の行き過ぎた円安の要因は金融緩和が必要以上に長引いたことにあると指摘、日銀に対して「着実に利上げを続け、金融政策を正常化すべきだ」と訴えた。また、超低金利を背景に株や不動産、家賃などが急騰しており、「バブルのリスクを抱えている」と懸念を示した。
 中尾氏は1ドル=160円近辺で推移する現在の円相場について、国際通貨基金(IMF)の購買力平価で示される93円程度から70円近くも懸け離れており、「極端に安い」と説明。円安による輸入物価の上昇で「国民や輸入企業などが悪影響を受けている」とし、「日本人が海外からモノやサービスを買う力が弱まり、国力の低下を招いている」とも強調した。
 デフレ脱却を目指した日銀の異次元緩和は「極端な円高の修正などの効果はあったものの、長過ぎた結果、円安や財政規律の緩みなどの副作用をもたらした」と分析。その上で、2%の物価上昇率目標は十分上回っているにもかかわらず、日銀は、トランプ米政権の高関税やイラン情勢の影響を見極めるといった理由で「利上げ実施のゴールポストをずらしてきた」と批判した。
 中尾氏は財務官時代の2011年に大規模な為替介入を指揮した経験がある。介入の効果について「短期の投機的な動きを抑えることができる」として、今年4~5月に政府・日銀が実施した11兆7000億円規模の円買い介入を評価。円安が進めば今後も「どんどん打ってくるだろう」と述べた。一方で、「持続的に円安を是正するには金融政策の修正が必要だ」と改めて強調した。
 日銀は今月15~16日に開く金融政策決定会合で、政策金利を現在の0.75%から1%に引き上げる追加利上げを検討する方針だ。 
〔写真説明〕インタビューに応じる中尾武彦元財務省財務官=5月26日、東京都千代田区