「養子の子に皇位継承権」=森議長が発言、野党反発

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 皇族数の確保策を巡り、森英介衆院議長が皇室に迎えた男性養子に誕生した男子は皇位継承資格を持つとの見解を示し、野党から反発が続出した。衆参両院正副議長が各党に提示した「立法府の総意」案に記載はなく、今後に火種を残した。森氏は9日、現行の皇室典範の解釈に触れたにすぎないとする釈明の談話を出し、沈静化を図った。
 総意案が「了」とした皇族数確保策の一つが「皇籍離脱した旧宮家の男系男子を養子に迎える」。森氏は8日の与野党との全体会議後の記者会見で、「養子となった旧11宮家の男子は皇位継承権を持たないが、男の子が生まれれば、その子は皇位継承権を持つことになる」と明言した。
 これまで全体会議では「皇族数確保」に絞って協議し、「安定的な皇位継承の在り方」に関わる養子の子の資格は論点になっていなかった。総意案も養子本人について「皇位継承資格を持たない」と記す一方、子の資格には言及しなかった。
 唐突な森氏の発言に対し、立憲民主党の長浜博行前参院副議長は取材に「議長の役割は中立公正な運びだ。自分の考えを言うのはいかがなものか」と批判。中道改革連合、立民、公明3党の幹事長も9日の会談で「総意を超えたものでおかしい」との認識で一致した。
 衆参正副議長は10日の全体会議で総意を決定したい意向だが、影響が出かねないとの懸念も出た。国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で「まとまるものもまとまらなくなる」と指摘し、発言に自制を促した。
 自民党や日本維新の会は「男系男子による皇位継承」を譲らない意見が支配的で、自民はこれまでの全体会議でも、養子となった男性の子に皇位継承資格を与えることは「適切」との立場を示している。立民関係者は「自民出身としてつい本音が出たのだろう」と語った。
 皇室典範第1条は「皇位は皇統に属する男系男子が継承する」と定める。森氏は談話で「皇族である男系男子(養子本人)から生まれた男子は皇位継承資格を有するという解釈を述べた」と強調。「(皇位安定継承に関する)将来の検討を先取りしたり、縛ったりする趣旨ではない」と訴えた。 
〔写真説明〕皇族数確保策に関する与野党との全体会議後に記者会見する森英介衆院議長=8日、東京・永田町の衆院議長公邸
〔写真説明〕記者会見する国民民主党の玉木雄一郎代表=9日、国会内
〔写真説明〕立憲民主党の会合後、記者団の取材に応じる長浜博行前参院副議長(右)と水岡俊一代表=9日午後、国会内