埼玉県が圏央道の外側で、JR高崎線エリアと東武東上線エリアを結ぶ幹線道路の4車線化を進めています。ちょっと不思議な「日本一の川幅」を貫く区間が焦点となりそうです。
「川幅日本一」が残るボトルネックに 「東松山鴻巣線」
埼玉県道「東松山鴻巣線」の拡幅事業が進捗しています。「川幅日本一」の区間を貫くことを観光名所のごとくアピールしている県道ですが、実は、これからさらに重要度を増しそうな幹線道路です。
東松山鴻巣線はその名のとおり、東松山市から吉見町を経て鴻巣市に至る延長約12kmの東西方向の幹線道路です。このうち吉見町と鴻巣市のあいだは、荒川の川幅が「2537m」で「川幅日本一」とされており、県道上のいたるところに案内が出ています。もっとも、この川幅の数値は、「荒川左右岸の計画高水位での堤防間の距離」を示しており、いわば“洪水の危険が高まるギリギリまで川の流量が増えたときの川幅”です。
東松山市には東武東上線、鴻巣市にはJR高崎線が通っており、両エリアを比較的近距離で直線的に結ぶことから交通量も多いです。4車線化は東松山側の国道407号の交点から、「川幅日本一」のすぐ手前、荒川の横堤までの5km強で進行しており、吉見の市街地前後を除き4車線化が完了しています。
また、吉見市街地のうち橋の架け替えを伴うため、カーブを描く迂回路を通行する「ウェルシア吉見店」付近は、2026年6月17日に元のルートへ交通切り替えが行われると現地の看板で案内されています。ここができると、4車線化区間の延長にはずみがつくかもしれません。他の未供用部でも4車線化のための工事が進行しています。
一方、これから4車線化が始まるのが、まさに「川幅日本一」の区間です。
この区間は低地を貫く築堤と荒川をまたぐ御成橋上に2車線が通っており、現状では拡幅の余地がありません。それでいて、築堤に沿って集落が形成されている珍しい光景が見られます。鴻巣市側の吉見町境から御成橋にかけての区間で4車線に対応した都市計画になっていなかったところ、2026年2月に都市計画変更が行われました。
その都市計画変更区間は、御成橋の東側の「御成橋(東)」交差点までです。ここには、最大幅員57mにもなる巨大な国道17号バイパス「上尾道路(II期)」が接続する予定となっています。
上尾道路II期は、圏央道の桶川北本ICから、熊谷・群馬方面へ通じる国道17号「熊谷バイパス」とつながる鴻巣市の「箕田(みだ)」交差点までの9.4km。東京から群馬まで続く国道17号バイパス群のうち、最後の未開通部です。
これができると、熊谷バイパスから上尾道路(II期)東松山鴻巣線を通って、東松山方面ひいては関越道の東松山ICや鶴ヶ島ICへと連絡するネットワークができます。このため、東松山鴻巣線の4車線化は上尾道路(II期)と軌を一にして進められています。