高速バスを運行するWILLER EXPRESSは2026年6月1日、都内の東京営業所でハイウェイパイロット(高速バス運転士)第8期生の入校式を実施しました。今回は、新卒15名のうち、実に7名がフィリピンからの特定技能人材となっています。
新卒15名のうち7名がフィリピン人
高速バスを運行するWILLER EXPRESSは2026年6月1日、都内の東京営業所でハイウェイパイロット(高速バス運転士)第8期生の入校式を実施しました。
今回、ハイウェイパイロットを目指して同社のサービスや通常業務を学ぶLABO生(研修生)新卒15名のうち、実に7名がフィリピンからの特定技能人材となっています。
同社は、深刻化するバス業界の担い手不足や地域交通の維持という大きな社会課題に向き合い、急増するインバウンド需要への対応と持続可能な高速バス運行体制の構築を目指しています。今回から外国籍人材を含むハイウェイパイロットの採用および育成を本格的に強化するとしており、その第一陣としてフィリピンから人材を募った形です。
同社は「バス業界全体の担い手不足解消と、多言語・多文化に対応できる次世代の運行体制の構築を目指します」と発表しています。来年からはインド、インドネシア、ネパール、ウズベキスタンなどからも新卒採用を行う予定です。
入校式に出席した平山幸司代表取締役によると、同氏自ら現地を訪れ、各国の関係者と協議を重ねたうえで、日本の人手不足解消に貢献してくれそうな国から人材を募集したとのことです。
「言い方は悪いですが、このような事業になると、人材育成を考えずに“ただ儲けよう”とする人や組織が出てきます。これは以前の技能実習制度などで顕著でした。例えば、日本へ送り出す現地機関が本人に大きな借金を負わせたうえで来日させるケースもあります。受け入れ側も十分な賃金を支払わず、実習生が逃げ出してしまう事例も問題になっていました」(平山代表)
そのため平山代表は現地で、教育機関、送り出し機関、受け入れ機関の3つの機能をすべて1社で担っている企業に絞って交渉を行ったとのことです。
「この3つが一体となっていることが重要です。一括して管理している会社は、人材を送り出して終わりではありません。人材育成に責任を持つからです。そうした会社と組むようにしました」(同)
また、現地での説明も平山代表自らが非常に丁寧に行い、募集ページなどもWILLERのスタッフが細部までこだわって作り込んだとのことです。
今回研修生となったフィリピン人の新卒社員に志望理由を聞くと、「人手不足の日本で力になりたかったから」「日本という国の役に立てると聞いたから」などと話していました。
フィリピンと日本の交通事情の違いは?
今回のフィリピン人研修生たちは、基本的な日本語学習をすでに終えており、母国で使用される英語やタガログ語なども話せる多言語話者です。そのため、インバウンド需要への対応という観点からも重要な人材といえます。
平山代表は、数年後には日本語能力もさらに向上し、“外国人スタッフ”ではなく、一人のハイウェイパイロットとして評価されるようになるとの見方を示します。
「フィリピンからの研修生は非常に真面目で、仕事にも前向きです。会社全体にとって良い刺激になってくれればと思います」(平山代表)
ちなみに、日本との交通事情の違いについて聞くと、研修生の一人であるアモヨさんは「道が安全です。渋滞も怖くありません」と話しました。
フィリピンでは、信号待ちや渋滞でクルマが停車している際、その間を縫うようにバイクや歩行者、自転車が絶えず行き交うため、車両同士の車間距離もかなり詰まるとのことです。その隙間は数十センチ程度になることもあるそうで、同じくフィリピン出身のトラさんも「日本は車間距離に余裕があって安心できます」と話していました。