「脱理念」で高支持率=実用主義、中道保守に浸透―李在明政権1年・韓国

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 【ソウル時事】韓国の李在明政権は4日、発足から1年を迎える。革新系政権ながら「脱理念」を標ぼうし、対日関係でも実用主義路線を推進。「ニュー李在明」と呼ばれる中道保守層にも浸透し、6割を超える高支持率を誇る。
 世論調査機関「韓国ギャラップ」が5月22日に発表した李氏の支持率は64%。与党「共に民主党」の45%を上回り、大統領選の得票率49.4%より高い。就任1年時としては、1987年の民主化以降の大統領で2位。南北首脳会談直後だった文在寅氏に次ぐ高水準だ。
 李氏は就任後、革新層以外に支持を広げ、政権の安定を図る戦略を取った。学生時代に民主化運動に関与せず、ソウル近郊の城南市長、京畿道知事と地方自治体をベースに上り詰めた李氏は、革新陣営の「アウトサイダー」。こうした経歴も現実重視の姿勢につながっていると言われる。
 李氏は2月、X(旧ツイッター)で、不動産政策に関連し、李承晩元大統領の農地改革が「韓国の経済発展の土台になった」と評価。5月14日には、革新系大統領として初めて、朴正煕元大統領が始めた農村改革運動「セマウル運動」の本部を訪問し、「文化や社会環境改善で大きな成果を挙げた運動」と持ち上げた。
 「反共」を旗印に強権体制を敷いた李、朴両元大統領を革新陣営は厳しく批判してきただけに、業績への称賛は驚きを持って受け止められた。
 評論家の金俊一氏は「李政権による『保守侵攻』が本格化している」と表現する。共に民主党のシンクタンク、民主研究院は4月発刊の報告書で、目指すべき党の姿として日本の自民党を例に挙げ「一党独裁でも政権交代する二大政党制でもなく、与党が民主的に長期政権を維持する1.5党体制」を掲げた。
 ただ、李氏の高支持率は、尹錫悦前大統領による「非常戒厳」宣言で保守系最大野党「国民の力」が大打撃を受けた「敵失」の影響も大きい。国民が李氏に本格的な評価を下すのは、統一地方選を経たこれからと言えそうだ。 
〔写真説明〕ソウルで2日、閣議に出席する韓国の李在明大統領(EPA時事)