ドイツ航空宇宙産業の拠点、北部ブレーメン市(州と同格)のアンドレアス・ボーフェンシュルテ市長は26日、東京都内で時事通信のインタビューに応じた。米実業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙企業スペースXに関し「マスク氏のサービスだけに依存できない。(宇宙開発で)自律を確立すべきだ」と主張し、日独の協力が双方の利益になると呼び掛けた。
ボーフェンシュルテ氏は、衛星ビジネスが非常に重要だとして「(スペースXが提供する)衛星通信網『スターリンク』の代替を見つけることが緊急に必要だ」と強調。宇宙分野で日本と連携し、マスク氏による事実上の宇宙通信の支配に対抗していく考えを示した。
ブレーメン市は欧州有数の宇宙産業の中心地としても知られる。ボーフェンシュルテ氏は今回の来日で、宇宙関連企業の幹部らと宇宙航空研究開発機構(JAXA)などを訪問。JAXAと独航空宇宙センターは2022年に連携深化に向けた協定を締結している。
ブレーメンが力を入れている防衛産業については、「数年前のように米国だけに(安全保障を)頼ることはできない。防衛分野で政治的に他国に依存しないことが求められている」と強調。「日独が連携して相互防衛の手段を開発することは必要で、コスト削減にも資するだろう」と指摘した。
また、トランプ米政権による対イラン軍事作戦を巡り「(紛争終結への)幾つかの希望を目の当たりにしているかもしれないが、(合意が)実現しても事態の正常化には時間を要する」と慎重な姿勢を示した。その上で「(原油価格高騰による)インフレは私たちの経済にとって非常に大きな打撃だ。化石燃料を減らし、できるだけ早く再生可能エネルギーを導入すべきだ」と述べた。
ボーフェンシュルテ氏は独連邦参議院(上院)議長も兼ねており、滞在中に日本の関口昌一参院議長と会談。「他国に依存することなく、自律的な成果を挙げられるよう、今よりもさらに緊密に連携するべきだ」と申し合わせたという。
〔写真説明〕インタビューに答えるドイツのアンドレアス・ボーフェンシュルテ連邦参議院議長=26日、東京都千代田区
〔写真説明〕インタビューに答えるドイツのアンドレアス・ボーフェンシュルテ連邦参議院議長=26日、東京都千代田区