政府は高市早苗首相の指示を受け、補正予算編成を含めた検討を加速させる。中東情勢の混迷を背景にエネルギー価格が高騰する中、夏場の電気・ガス料金補助の再開や、ガソリン価格抑制策の継続に向けた応急措置が柱。ガソリン補助の基金や予備費の積み増しへ、赤字国債の発行などで財源を賄えば、財政への信認低下を通じて長期金利の一段の上昇を招きかねない。
高市首相は18日の政府・与党連絡会議で、「経済活動や暮らしに支障が生じないよう、必要に応じタイムリーに対応する」と表明した。政府は、補正予算を必要最低限の内容に絞る方針で、市場では予算規模を3兆円程度とみる向きがある。ただ、不透明な中東情勢を背景とした中小企業支援なども検討されており、さらに膨らむ可能性がある。
焦点となるのが財源だ。ガソリン補助の基金残高は4月末時点で約9800億円とされ、現行水準が続けば6月中にも枯渇する可能性がある。一方、電気・ガス料金補助について、高市氏は「昨年夏の料金水準を下回る」措置を指示した。仮に昨年7~9月に計上した2881億円を上回る規模で補助を行い、ガソリン支援も継続するなら、26年度予算に計上した1兆円の予備費が早くも足りなくなる公算が大きい。
片山さつき財務相は、財源は「検討中」と述べるにとどめる。「責任ある積極財政」を掲げる高市政権だが、既に消費税減税など財源の裏付けが不透明な政策課題が蓄積する。
市場では財政悪化への懸念から、長期金利が18日に2.8%と1997年5月以来29年ぶりの水準に上昇した。木原稔官房長官は補正予算編成では「マーケットから信認を得るということが重要だ」との認識を示すが、かじ取りは難しい。