アメリカ海軍は2026年5月9日、フリーダム級沿海域戦闘艦(LCS)の最終建造艦「クリーブランド」が、オハイオ州のノースコースト・ヤードに到着したと発表しました。
イージス艦より高いは流石に許容できない?
アメリカ海軍は2026年5月9日、フリーダム級沿海域戦闘艦(LCS)の最終建造艦「クリーブランド」が、オハイオ州のノースコースト・ヤードに到着したと発表しました。
同艦は、5月16日に行われるアメリカ建国250周年関連行事に合わせて就役式を実施する予定です。
「クリーブランド」は、ロッキード・マーティンが設計を担当したフリーダム級の16番艦であり、同級の最終艦にあたります。また、「クリーブランド」の名を冠する艦艇としては4隻目で、その系譜は第一次・第二次世界大戦で運用された巡洋艦や駆逐艦へと100年以上さかのぼります。
フリーダム級は沿海域戦闘艦(LCS)に分類される艦艇で、半滑走型モノハル船体を採用することで40ノット以上の高速航行を実現しています。駆逐艦やフリゲートよりも高速かつ機動性に優れ、対機雷戦、対水上戦、対潜戦を想定した3種類のミッション・パッケージを換装することで、最短3日で任務変更が可能な万能哨戒艦として建造が開始されました。
しかし、末妹艦「クリーブランド」が就役間近となった2026年現在、フリーダム級は当初想定された運用構想を実現できていません。
初期建造艦では推進系統のトラブルが頻発しました。船体亀裂のほか、電気系統、兵器システム、さらには推進システムにも問題が発生。そのため、初期に建造された「フリーダム」「デトロイト」「リトルロック」「スーシティ」の4隻は、2021年から2023年にかけて早期退役しています。
なかでも「スーシティ」は、就役からわずか4年9か月で退役しており、一部専門家の間では、これは第二次世界大戦後に就役したアメリカ海軍艦艇として最短クラスの運用期間ではないかと指摘されています。
さらに、ミッション・パッケージのうち対機雷戦および対潜戦パッケージの開発は難航しました。
長期間の開発を経て完成した対機雷戦パッケージは、2025年5月にようやく装備を開始し、2026年中にはホルムズ海峡などの中東地域で本格運用される可能性があります。
一方、対潜戦パッケージについては、完成後も要求性能を十分満たしていないと判断されており、改良型が後継艦へ引き継がれる可能性は残されているものの、現時点では事実上棚上げ状態となっています。
こうした諸問題により、フリーダム級は当初「安価で汎用性の高い艦艇」として多数建造されましたが、就役後は維持・運用コストが大幅に増加しました。一時は、同級の維持費がイージス駆逐艦アーレイ・バーク級とほぼ同水準であると批判されたこともあります。
最終艦が就役する現在では一定の改善が見られるものの、当初期待されたほど「安価かつ高性能な艦」にはならなかったと言えるでしょう。
【動画】横向きでド派手! これが「クリーブランド」の進水式です