日本で見たことないタイヤがあるぞ!? トーヨータイヤが「ジャパン トラックショー2026」に出展 ずらりと並んだ現行ラインアップ

成長局面を迎える日本の電子部品

トーヨータイヤが「ジャパン トラックショー2026」に出展しています。さまざまな路面に対応した現行ラインアップのほか、日本では販売していないタイヤの展示も。開催初日となる2026年5月14日、新製品や同社の取り組みについて取材しました。

新製品展示に加えステージも設置

 国内大手タイヤメーカーのTOYO TIRES(トーヨータイヤ)が、2026年5月14日(木)から16日(土)までパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催されている「ジャパン トラックショー2026」に出展しています。初日、新製品や同社の取り組みについて取材しました。

 重点施策のひとつとして「トラック・バス用タイヤ事業の強化」を掲げるトーヨータイヤは、環境負荷低減やコスト削減に寄与する新製品のほか、現行タイヤのラインアップ展示、物流の課題解決に貢献する独自の基盤技術やリトレッドタイヤ、そして安全運転への取り組みを紹介。黒を基調とした広いブースは、同社のイメージカラーである鮮やかな青をアクセントとして使用することで、洗練されたイメージでした。

 センターにはステージが設置され、モータージャーナリスト・竹岡 圭氏の司会進行による「物流の未来にタイヤができること」や「新製品の開発秘話」、「リトレッドタイヤのススメ」など各種プログラムが展開。多くの来場者が聞き入っていました。

 新製品をいくつか見てみましょう。まずは、耐摩耗性能の向上とロングライフを追求した4軸低床の大型トラック・バス用オールウェザー(オールシーズン)タイヤ「M630」。販売サイズは245/70R19.5 136/134Jの1サイズです。

 4軸低床トラックは、前2軸がステアリング操作に応じて角度を変える操舵(そうだ)軸、後2軸が駆動軸です。タイヤの径を小さくして低床化を実現した4軸低床トラックは、車両高さに上限がある中で、荷台の容積を最大限確保することを可能としており、物流の現場で大活躍しています。

 しかし前から2軸目のタイヤに横方向の力がかかり、ショルダー部が偏摩耗しやすい傾向があります。偏摩耗が起きるとタイヤの寿命が短くなって交換頻度が増え、整備に負荷がかかってしまいます。そこでトーヨータイヤは、この課題に対応するべくM630を開発しました。

発進と停止を繰り返す配送トラックに適したタイヤ

 M630はショルダーブロック幅やトレッド幅を拡大した新パターンの採用により、ブロックの変形を効果的に抑制。「肩落ち摩耗」を従来品比で61%も低減しています。性能検証を、奈良県に本社を構える運送会社・フジトランスポートと共同で実施することで、大型4軸低床トラックに最適な設計を実現。そのため、ブース内には同社のトラックも展示されていました。

 このほか新製品として、小型トラック・バス用のオールウェザータイヤ「DELVEX M635」が小型トラックの代表格であるいすゞ「エルフ」の前に展示されていました。

 インターネット通販が普及したことで、宅配便などの小口配送需要や取り扱い個数は増大していますが、これらの用途で使用される小型トラックは発進と停止を繰り返すためにタイヤの摩耗が進みやすい傾向にあります。これを克服すべく開発を進めたDELVEX M635は、高い耐摩耗性能および耐偏摩耗性能だけでなく、天候による路面状況の変化にも対応。さらに転がり抵抗も低減しており、燃料費やCO2排出量削減にも貢献しています。

 そしてステージ手前には、同社のさまざまなトラック用タイヤが並べられていました。目の前で大型トラック用タイヤを見ると、その大きさを改めて感じられます。

 優れた耐摩耗性とトラクション性能を重視したオールウェザータイヤ「M646」に始まり、耐摩耗性と氷雪路性能を高次元で融合したスタッドレスタイヤ「M939」、転がり抵抗を追求した低燃費リブタイヤ「NANOENERGY M176」、EV専用非対称パターンを採用した小型EVトラック&バス用リブタイヤ「NANOENERGY M151EV」などが展示されていました。

日本で未発売のタイヤが展示された!?

 そしてここにはもう1本、注目のタイヤが置かれていました。それがオンロード、オフロードに対応するオールウェザータイヤ「M655」です。高い耐久性と過酷な環境下でもタフさを発揮する、地域内および近距離向けオールポジション・オールウェザータイヤで、ワイルドなSUVが履きこなすラギッドなタイヤです。特にサイドウォールプロテクターには、従来のトラック用タイヤとは異なるアクティブで力強いデザインが施されています。

 実はこのタイヤ、北米市場のみで販売されており、日本国内には未導入という参考展示品です。トーヨータイヤでは、反響や反応を調べるために展示したとのこと。個人的には、タイヤはクルマ全体のイメージを大きく変える力があり、昨今でははたらくクルマにもカッコ良さが求められているので、日本でも、トラックにスタイルを求めるユーザーに響くのではないかと思いました。

 同社の安全運転の取り組みに関する展示では、冬用タイヤとタイヤチェーンの正しい使い方や使用時のポイント、車輪脱落事故防止の啓発を行うパネルが設置。特に近年では大型車の車輪脱落事故発生件数は増加して高止まり傾向にあるため、事故が起きるタイミングや要因の分析、事故を防ぐために注意すべきポイントを図説によって丁寧に解説していました。

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 このほか実際のタイヤにナットを締め付けるコーナーや、正しい値での締め付けを確認する計測体験コーナー、ボルトの軸(中心線)方向に生じる「軸力」の重要性と測定方法を解説するコーナーが設けられていました。体験することでより理解を深めることができます。少しでも事故を減らしたいと願うトーヨータイヤの思いが伝わるようでした。