習氏、台湾で強硬姿勢=武器売却に反発―米中会談

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 【北京時事】米中首脳会談では、習近平国家主席が極めて高い関心を寄せる台湾問題が話し合われた。習氏は台湾統一を「必ず実現しなければならない」と公言。武力行使も辞さない構えだが、台湾への武器売却を続ける米国が統一に向けた最大の障害となっている。習氏はトランプ米大統領に対し、台湾問題の処理を誤れば米中衝突もあり得ると警告した。
 ◇「米中衝突」警告
 習氏は「台湾問題は中米関係における最重要の問題だ」とした上で、「うまく処理すれば両国の関係は全体的に安定を維持できる」と発言。一方で「処理を誤れば、両国はぶつかり合い、さらには衝突すらしかねず、中米関係全体が非常に危険な状況に陥ることになるだろう」と述べた。
 習政権が早急に阻止したいと考えているのが、米国の台湾向け大量武器売却だ。米政府は昨年12月、台湾への武器売却を承認し、議会に通知したと発表。その約2週間後、中国軍は台湾を取り囲み軍事演習を行った。「台湾独立勢力と外部の介入勢力に対する強い警告」と説明しており、武器売却へのけん制が狙いだったのは明らかだ。
 トランプ氏は追加売却も検討しているが、習氏は今年2月の電話会談で「米国は台湾への武器売却に慎重になるべきだ」とくぎを刺した。トランプ氏が追加売却に踏み切った場合、習氏が激しく反発するのは必至で、経済分野も含め米中関係全体に影響が出かねない。
 ◇軍再建中の事情も
 中国では現在、軍高官の汚職摘発が相次いでおり、中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区も例外ではない。台湾侵攻作戦にも影響が及んでいるもようだ。習政権には、その隙を突いて台湾の頼清徳政権が米国から大量の武器を調達して台湾独立を画策していると映る。
 中国が特に懸念しているのは、昨年12月の武器売却リストに高機動ロケット砲システム「ハイマース」が大量に盛り込まれたことだとみられる。ハイマースは、ロケット砲の代わりに長射程ミサイルを搭載すれば、中国沿海部を攻撃できる。
 習氏がトップの総書記を務める中国共産党は来秋、5年に1度の党大会を開く見通し。軍の立て直しが完了するのはそれ以降になると予想されている。少なくともこの先1年半、台湾の防衛力増強を阻止することが習氏の本音と言えそうだ。 
〔写真説明〕14日、北京の人民大会堂で米中首脳会談に臨む中国の習近平国家主席(左)(AFP時事)