【セブ(フィリピン)時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)が8日の首脳会議で採択する声明で、トランプ米政権の対イラン軍事作戦で事実上封鎖された原油輸送の要衝ホルムズ海峡について、船舶・航空機の「安全で妨害されない、継続的な通過の回復」を求めることが分かった。首脳会議はフィリピン中部セブで行われる。
声明案は緊迫化する中東情勢への「深刻な懸念」を表明。その上で「米国とイランの停戦を歓迎する」と強調した。ASEAN各国はエネルギーを輸入に依存している国が多く、対イラン作戦の行方の不透明さに伴う原油高の影響を大きく受けている。
声明案はまた、域内の強靱(きょうじん)性を高めるための今後の取り組みにも言及した。「予測可能で開かれた市場」と「安全かつ開放されたシーレーン(海上交通路)」を確保し、食料やエネルギー、原材料を含む必需品の円滑な流通を維持する方針を示した。
さらに国境や空港、港湾といった貿易インフラを開放し、域内の貿易やサプライチェーン(供給網)の連結性を強化することも盛り込んだ。
ASEAN外相は7日に会合を開催。議長国フィリピンのラザロ外相は冒頭、中東情勢への対応を巡り「域外の出来事であっても、ASEANに即座に深刻な影響を及ぼし得ると改めて認識した」と指摘し、緊密な連携を呼び掛けた。比政府は首脳会議の主要議題をエネルギーと食料の安全保障などに限り、日程も例年より短縮した。
〔写真説明〕7日、フィリピン中部セブで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会合(EPA時事)