NASA新長官 なんと“自前の戦闘機”でエアショーに登場!“最も現場を知る長官”と呼ばれる理由とは

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2026年4月14日から19日まで開催された「サン・アンド・ファン・エアロスペース・エキスポ」に、NASAのジャレッド・アイザックマン長官がゲストとして来場して話題となりました。

自前の戦闘機を持つNASA長官

 フロリダ州のレイクランドで2026年4月14日から19日まで開催された「サン・アンド・ファン・エアロスペース・エキスポ」に、NASAのジャレッド・アイザックマン長官がゲストとして来場して話題となりました。というのも、ただNASA長官がやってきたというだけでなく、来場方法そのものが異例だったためです。

 アイザックマン長官はなんとF-5「タイガーII」戦闘機に乗って会場に飛来しました。しかも、これら戦闘機はNASAが運用している機体ではなく、なんとアイザックマン長官が個人所有しているものなのです。

 なぜ、NASA長官が個人でジェット戦闘機を持っているのでしょうか? それはアイザックマン長官のこれまでの経歴に理由があります。

 アイザックマン長官が現職になったのは2025年12月。しかし、それ以前に起業家として大成功を収めており、その総資産は14億ドル以上と言われています。

 そして、航空への強い関心から、自身で飛行機を操縦できるライセンスを持っているだけでなく、退役したジェット戦闘機を個人で所有しており、その中には今回のF-5以外にもロシア製のミグ29「ファルクラム」まで含まれています。

 また、2010年には6機編成の民間エアショーチーム「ブラックダイヤモンド・ジェットチーム」を設立して、自身もその演技飛行に参加。さらに、そこでの人材を元に軍事演習で敵役を務める軍事請負会社「ドラケン・インターナショナル」を2012年に創設し、現在も100機以上のジェット戦闘機を所有する民間企業として活動を続けています(現在は会社を売却済)。

史上最も“現場を知るNASA長官”

 異例すぎるキャリアを持つアイザックマン長官。長官になってからまだ半年も経っていませんが、その間に昨年トラブルがあった宇宙船ボーイング・スターライナー問題での厳しい組織批判を行ない、遅延が続く月面探査のアルテミス計画について、工程の圧縮と意思決定の高速化を打ち出しています。なお同氏は、スペースXの宇宙船で民間人として史上初めて宇宙遊泳(船外活動)をした宇宙飛行の経験者でもあります。

 現在のNASAは、国家主導で宇宙開発を進めてきた従来モデルから、民間企業と役割を分担する新たな体制へと移行しつつあります。スペースXに代表される企業が打ち上げや月面着陸船を担い、NASAは全体の統合や安全管理に軸足を移す構図です。こうした変化の中で、民間出身で宇宙飛行経験も持つアイザックマン長官の存在は、まさに“民間宇宙時代”への転換を象徴しているでしょう。

 実費での宇宙飛行や軍用機保有などの事実だけみると、よくあるアメリカ風の“お金持ち”として見えてしまいますが、会社運営をして、自身がその代表として現場に立つなど、アイザックマン長官には娯楽を超えた経験と技術を持っており、「史上最も“現場を知るNASA長官”」という評価がされています。

 ただ官僚や政治の世界で経験が無いために、長官としての実務は強行的と批判されることもあり、NASA長官の役職が簡単な仕事でないことがうかがえます。ただ、その異色の経歴は、宇宙開発の主役が国家から民間へと移りつつある現在の潮流をまさに象徴している存在です。