野党国会対応「冬の時代」=多勢に無勢、中道指導力不足

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 野党の国会対応が「冬の時代」を迎えている。巨大与党を前に「多勢に無勢」は否めない上、2月の衆院選で惨敗した中道改革連合に国会対策の経験が豊富な議員が少なくなり、衆院野党第1党として指導力を発揮できていないためだ。野党内では大型連休明けからの後半国会で与党ペースの審議が続きかねないと懸念する声が出ている。
 「4月中に実現できなかった党首討論を5月には確実に実現してほしい」。4月28日の与野党国対委員長会談で、中道の重徳和彦氏は野党各党を代表してこう要求したが、出席者によると、自民党の梶山弘志氏は実施を確約しなかった。
 与野党は昨年、党首討論を4~6月に毎月開くことを申し合わせている。それでも自民が実施を受け入れていないのは、衆院定数の3分の2を単独で獲得し、圧倒的な「数の力」を得たことが大きい。一方で与野党関係者の間には「中道国対の力量不足が理由の一つ」との見方も広がる。
 中道の源流である立憲民主党の国対委員長は、安住淳、笠浩史両氏ら「国対族」が務めてきた。しかし、安住氏は衆院選で落選。当選した笠氏も人心一新を理由に現場から去った。後任に就いた重徳氏は「政策畑」中心で、これまで国対経験はほとんどない。
 経験不足は与野党折衝の場で表れる。自民、立民の参院幹部の間では党首討論を5月20日や27日に開く案が取り沙汰されているが、重徳氏は4月28日の会談で具体的な日程に触れなかった。立民幹部は「動きが鈍過ぎる」といら立ちを隠さない。
 高市早苗首相が2026年度予算の「年度内成立」にこだわったことを受け、衆参両院予算委員会の予算審議は集中審議などを例年ほどこなせないまま終わった。このため、参院では4月27日に「埋め合わせ」の集中審議が行われたが、衆院では実施のめどが立っていない。他の野党には「中道は自民と信頼関係ができているのか」「参院と連携を取っているのか」と不信感が強まる。
 中道には与党からも不満が漏れる。閣僚の国会出席を認めなかった衆院議院運営委員会の決定を巡り、重徳氏は「質問権の制約だ」とSNSで非難。与党は「国対委員長として許されない対応だ」と謝罪を求めたが、重徳氏は「意見の相違だ」として応じなかった。自民幹部は「中道とは信頼関係をつくれない」と吐き捨てるように語った。
 後半国会では「国旗損壊罪」制定、衆院議員定数削減、再審制度見直しなど、論争を呼びそうな法案の審議が予想される。ただ、野党の不協和音、与党の中道不信が解消する道筋は見えない。野党関係者は「このままでは重要法案の審議が与党ペースで終わってしまう」と嘆いた。 
〔写真説明〕野党国対委員長会談に臨む中道改革連合の重徳和彦氏=4月28日、国会内
〔写真説明〕国対委員長会談に臨む自民党の梶山弘志氏(奥右)と中道改革連合の重徳和彦氏(同左)ら=4月28日、国会内