国税滞納者から差し押さえた財産を売却するため、東京国税局はオークションサイトでの「インターネット公売」に力を入れている。年4回開催され、高級車やブランド品のほか、掘り出し物が出品されることも。誰でも落札でき、現在公売中の入札の申し込みは「KSI官公庁オークション」で7日まで受け付けている。
同国税局は今回のネット公売に22種類の財産を出品した。各財産には「見積価額」と呼ばれる最低入札価格が設定されている。800円から入札可能な洗顔フォームのほか、高級ブランド「シャネル」のものとみられるピアスが4万円、ゴルフ会員権が58万円と幅がある。その中でも今回の目玉となるのが、4800万円から入札できる高級腕時計4点セットだ。
腕時計はいずれも、スイスの高級ブランド「ヴァシュロン・コンスタンタン」製とみられる。同国税局によると、文字盤の模様は手作業で直接彫り込まれており、フランスのルーヴル美術館が所蔵する「タニスの大スフィンクス」や「ダレイオス王のライオン」といった美術品の装飾が18金でデザインされているという。
国税のネット公売は2007年に始まった。それまでは税務署の掲示板で公告を出す方法しかなく、一般人には入札のハードルが高かった。同国税局の担当者は「不動産や債権の売却が中心で、あまり動産の差し押さえは重視していなかった」と振り返る。
引き取りに掛かる費用は落札者が負担し、証明書が添付されていない場合もあるため、最低入札価格は市場より最大で3割ほど安く設定されている。一方、競り形式のため落札額が予想を大きく上回ったこともある。過去には最低入札価格80万円の絵画に約370万円の値が付いたという。担当者は「気軽に入札できるので、ぜひ多くの方に注目していただきたい」と語った。
〔写真説明〕東京国税局が出品した最低入札価格4800万円の腕時計4点セット=4月23日、東京都中央区