水不足、連休観光地直撃=遊覧船運休や温泉営業減―事業者らから不安の声

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 昨年夏以降の少雨などに伴い、各地の観光地が水不足に苦しんでいる。繁忙期となるはずの大型連休だが、遊覧船の運休や温泉施設の営業日数減などの影響が出ており、事業者らからは不安の声が相次ぐ。
 富士山周辺の湖では昨年から水位低下が続く。遊覧船を運営する富士五湖汽船(山梨県富士河口湖町)は、本栖湖の「もぐらん」を運航停止し、河口湖の「天晴」は経路を変更した。藤井一弥代表(57)は「こんなに水位が下がることはめったにない。水不足や燃料費高騰の問題はあるが、今年も多くの人に来てもらえたら」と願う。
 栃木県日光市の中禅寺湖では、水位低下で桟橋に船を着けられなくなった。中禅寺湖遊覧船(同市)は、通常なら湖の桟橋3カ所に立ち寄って船を運航するが、臨時通過を余儀なくされている。
 副支配人の山田和行さん(60)は「お客さんも、目的地に行きづらいことにもどかしさを感じているのでは」と嘆く。一方で、「普段なら隠れている陸続きの景色が見られる。前向きに捉えて頑張りたい」と奮起する。
 同湖でボートの貸し出しを行う「レークオカジン」(同市)は浅瀬の干上がりを受け、水が十分ある場所にボート置き場を新設した。岡本浩和代表(56)は「置き場が遠くなって手間がかかる。いつもの3倍は体力を使っている」とこぼした。
 水不足の影響は温泉にも。群馬県富岡市の妙義ふれあいプラザ妙義温泉「もみじの湯」では、源泉に加え生活用水も使うため、二つある露天風呂をすべて3月から休止した。内風呂だけの営業で、休館日も週1日から週2日に増やした。同月の入館者数は昨年同月比で7~8割に落ち込んだ。
 露天風呂再開のめどは立たず、同市観光協会の新井良一専務理事(66)は「今後の営業がどうなるのか、本当に困っている」と不安を隠せない。
 一方で、再開できた施設も。長野県筑北村では、2月中旬に出された給水制限が3月31日で解除された。温泉施設「坂北荘」は、臨時休業以来約1カ月半ぶりに客を湯に迎えることができた。村民らが紙製食器の活用などで節水に取り組んだ成果といい、施設の大塚文登さん(74)は「素晴らしいことで、ありがたい」と喜びをかみしめた。 
〔写真説明〕「もみじの湯」で休止が続く露天風呂(群馬県富岡市観光協会提供)