愛知県にあるトヨタ博物館では、2026年4月23日から高市早苗首相がかつて乗っていたトヨタ「スープラ」が期間限定で展示されています。通称「高市スープラ」について、現地の反応を伺ってみました。
高市早苗首相の愛車がトヨタのおひざ元に!
愛知県長久手市にあるトヨタ博物館は、同社が創立50周年記念事業のひとつとして1989年4月に設立した自動車博物館です。館内には、トヨタ車に限らず国内外の様々なメーカーが開発・製造した車両が展示されており、クルマの歴史と文化を楽しく学べるようになっています。
クルマ好きなら一日中楽しめる場所といえますが、そんなトヨタ博物館で2026年4月23日から1台のトヨタ「スープラ」が展示されています。実は同車は、2026年現在、内閣総理大臣を務める高市早苗衆議院議員がかつて所有していたモデル、通称「高市スープラ」です。
そもそも「スープラ」はトヨタが製造した2ドアのスポーツカーであり、「セリカ」の上級モデルとして設定した「セリカXX(ダブルエックス)」がルーツのモデルです。海外市場では当初より「スープラ」の名前で販売されました。
その後、1986年に登場した3代目モデルで「セリカ」から独立。このとき、車名がグローバルで「スープラ」へと統一されました。
しかし、「スープラ」は1993年に登場した4代目をもって一時、生産を終了します。2019年には17年ぶりとなる5代目が発売されますが、こちらも2026年3月に生産が終了。現在はトヨタ公式サイトのラインナップから姿を消しています。
他方でトヨタの本格スポーツカーとして、いまでも人気を博しており、映画やゲームなどでたびたび登場するため、高い知名度を誇っています。
そんな人気車ですが、高市首相の愛車だったのは「A70系」の型式名称でも知られる3代目スープラの後期モデルです。1990年代に多くのスポーツカーに採用された格納式の前照灯、いわゆるリトラクタブル・ヘッドライトを採用した、低く長いノーズを持つフロントマスクが特徴的な一台です。
搭載エンジン3リッターDOHCターボをはじめ複数ありましたが、高市首相の愛車はモデルライフ後半に追加された、排気量2.5リッターのDOHCツインターボの「1JZ-GTE」型エンジンを積む「2.5GTツインターボ リミテッド」で、最高出力は当時の自主規制値の280馬力をマーク。バブルという華やかな時代も相まって、若者を中心に高い人気を獲得しました。
東京〜奈良を自走! 高市首相の「深すぎるスープラ愛」と奇跡の復活劇
3代目スープラに魅了された高市首相は、かつてカワサキの大型バイク「Z400GP」なども操った、大の乗りもの好き。本人によれば「とんがったクルマが好き!」だそうで、このスープラは新車で購入したそうです。
その入れ込みぶりはすさまじく、保有期間は20年以上になりました。ときには終電がなくなった東京から、地元の奈良まで自らハンドルを握り往復していたとのこと。まさしく思い出の愛車といえます。
そんな「高市スープラ」に転機が訪れたのが2022年です。高市首相の地元・奈良トヨタが創業80周年記念プロジェクトとして、同車のフルレストアを手がけることになりました。
長年使われたこともあり、ダッシュボードやパネルはもちろん、ボディ内側にサビが浮かぶなど、激しく劣化していたそうです。そのため、内外装問わず徹底的なレストアが必要となりました。
しかし、そのおかげで新車同然の姿にまで復活。再び元気に走れるようになったほか、リトラクタブル・ヘッドライトも可動するなど、往年の姿を蘇らせています。
レストア後のスープラは、普段は奈良トヨタが運営する「まほろばミュージアム」で展示されています。首相就任後はこのスープラを目当てにやってくる人が急増し、来場者数は5倍以上になったそうです。
トヨタ博物館でも、高市スープラの人気は継続。筆者(鈴木伊玖馬:乗りもの好きライター)が訪れたのは2026年4月28日でしたが、平日の朝にもかかわらず、多くの人がスープラの周りに集まって撮影をしていました。
特に熱い視線を浴びせていたのが、海外からの観光客と思わしき人たち。新車同然の3代目「スープラ」という希少性も相まってか、隅々まで車体を眺めていました。
なお、県内在住の30代男性にハナシを聞いたところ、まさにこの高市スープラを見るために訪れたとのこと。「マンガや映画などでスープラを見たことはあったが、こんなにキレイな個体を見たのは初めて。30年前には実際にこれが街を走っていたと思うと感慨深い」と答えてくれました。
トヨタ博物館で「高市スープラ」が見られるのは2026年5月24日までの予定です。日本人だけでなく外国人まで魅了する「往年の名車」を見に、足を運んでみてもよいかもしれません。