「有事に弾がない!」を回避? 米国製の空対空ミサイル「アムラーム」を日本で生産へ 三菱電機が発表 有識者の見解は

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三菱電機が、アメリカ製の高性能な空対空ミサイル「アムラーム」の共同生産に向け、具体的な協議を開始しました。これが実現すると、日本の防衛にどのような影響があるのでしょうか。

日米戦闘機が搭載する高性能ミサイルを日本で製造へ

 三菱電機株式会社は2026年4月28日、アメリカの大手防衛関連企業であるRTX Corporationの事業部であるレイセオンと、空対空ミサイルAIM-120「AMRAAM」の共同生産体制の構築に向けた具体的な協議を進めることを発表しました。

 この動きは、2025年4月14日に開催された第4回日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議(DICAS 2.0)において、日米両政府がAIM-120の共同生産における日本の参画範囲を協議した結果を受けたものです。

 AIM-120は米国製の視程外射程空対空ミサイルであり、最新のAIM-120Dでは射程約180kmを誇るとされます。日米両国間では防衛産業基盤の強化を目的として、このミサイルに関する共同生産の実現に向けた調整が続けられてきました。

 三菱電機が担当する作業範囲としては、電子回路基板(CCA:Circuit Card Assembly)の製造が挙げられています。また、将来的には最終組立・検査(FACO:Final Assembly and Check Out)への参画も目指すとしています。

 同社はこれに先立ち、防衛省から2024年に「AIM-120の国産化に関する検討役務」、2025年に「AIM-120の国内生産基盤構築に関する検討役務」をそれぞれ受注し、本共同生産の実現に向けた検討を進めてきた経緯があります。三菱電機は、防衛省向けの空対空ミサイルの開発・製造を通じて培った技術力やノウハウを活かし、関連企業と連携することで、日米共同生産の早期実現に向けて取り組む方針です。

 今回の発表に関して、三菱電機とアメリカ企業との協業を取材してきた軍事ライターの稲葉義泰氏は、次のように語ります。

「三菱電機は、日米同盟に基づくアメリカ軍と自衛隊との相互運用性向上を、企業レベルで追求しています。つまり、有事の際に日本に展開するであろうアメリカ軍の装備と、自衛隊が保有する装備との共通性を持たせることで、より円滑な事態対応が可能となる、という視点に立っています。

 そのため、同社はこれまでにも、アメリカのノースロップ・グラマン社と防空指揮システムである『IBCS(統合戦闘管理システム)』に関する協業を進めてきたほか、レイセオンとは同社製のアメリカ海軍向け艦載レーダーである『AN/SPY-6』の部品製造に関する協業を行い、すでに部品製造を開始しています。

 今回のAIM-120の共同生産への参画も、日米両政府の弾薬生産量増加という意向があったことに加え、そうした文脈に沿った動きであることもまた、間違いないでしょう。これにより、有事の際にアメリカ軍や航空自衛隊の戦闘機に搭載可能な共通の弾薬であるAIM-120を日本で生産可能となり、その弾数補充をより円滑に進めることが出来るようになると思われます」

 今回の三菱電機によるAIM-120の製造参画は、新たな日米同盟のあり方を象徴する出来事と言えるかもしれません。